表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/987

プロローグ


 ―――この世界で退屈を感じ始めたのは、いつの事だったろう。


 この『剣』を手にした時は、まだ夢中になれるものが沢山あった。


 けれどやはり、その時が色褪せ始めたタイミングだったのだろう。


 天才だとか、最強だとか、唯一無二だとか、大袈裟でつまらない言葉で飾られるのが嫌だったわけじゃない。


 心を沈ませた本当の原因は、それらが事実であると私自身が気付いてしまった事だから。


 傲慢だと、笑ってくれる人は誰もいない。


 むしろ誰もが、傲慢であれと私に理想を抱く。


 あなたは特別だと言われた―――そう、私は特別。


 あなたが一番強いのだと言われた―――そう、私が一番強い。


 あなたに並ぶ者などいないのだと言われた―――そう。私に並ぶ者はいない。



 私と歩める人はいない


 私と手を繋げる人はいない


 私の隣には、誰もいない



 悲しいわけじゃない、虚しいわけでもない。退屈を感じるからといって、この世界を嫌いになったりはしない。ただ……


 そう、ただ―――寂しいと、感じてしまうから。


 だから私は、迎えを待つ子供のように、


 王子様を夢見る少女のように、


 いつかこの手を取ってくれる誰かを、待ち続けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヒロインちゃんを見たら羨ましいってなりそう
[一言] まだ色付きとまともに勝負できてないのに退屈だあ?向上心をもとうぜ嬢ちゃん
[良い点] 遂に新キャラが! すごい孤独感溢れてるけど、大丈夫かな? 主人公だと手を取るどころか、早すぎて目の前を高速で通り過ぎそう (・ω・三・ω・三・ω・)ヒュンヒュン
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ