パーソナリティ:【Haru】
『――――さぁ会場の皆々様、大変長らくお待たせいたしましたっ!!!』
『あ、どうも。あの――――』
『お呼びしちゃったぜ【曲芸師】ぃッ!!!』
『ちょっと、俺あの、表で来たはずなんすけど勝手に転身体に変わ――――』
『ってことでその辺はまあ一発目からソレもどうなんってスタッフさんと議論を交わしたんですけれどもっ! 優先すべきは観客の期待だよねってな訳で初めてのパーソナリティより強制的に〝ハルちゃん〟でお越しいただきましたとさー!!!』
『くっそなんか仕掛けてやがったな……!』
『まーまーまままーそんな顔したってかぁいいだけですよーっと! 急遽用意できたお時間ほんの少しだけなんでね!! 文句は呑み込んでいただいて!!!』
『そもそも、まずなんで呼ばれ――――』
『それでは全速力でやってきましょー! お昼の突発ノノハルRadio!!!』
『話聞けや!!!』
――――――……
――――……
――……
『とまあ、目論見通りハルさんの緊張も無事に解きほぐしましたところでー』
『解きほぐしたというか爆破解体というか……』
『んなことよりも時間がないんですよ。あと八分ちょいですよもうゴチャゴチャ言わんとサクサクやってきましょーヘイBOXカモーン!』
『もうなんでもいいわ……え、なんすかそれ』
『会場にお越しの皆々様より集められたハルさんへの〝お便り〟でーっす。あのね、そのね、もうね、なんっっっっっっせ今回【曲芸師】宛てが多くて多くて』
『はぁ』
『もう普通にやってちゃ全くもって需要に供給が追い付かないんですよ。なので、ハルさんに関しては隙間時間でちょいちょい単独企画挟みまーす』
『は? ……いや、は? 嘘でしょ???』
『したらばいくぜ、お便り返し一発目ぇっ!!! ドロー!!!!!』
『おい、会話しろよ』
『えー、なになに? 〝ハルちゃ――――んふっ……えぇ、失礼。〝ハルちゃんはそんなに可愛いのに、どうして自分のことを「俺」って呼んでるんですか?〟』
『一発目からどういう質問……いる? その情ほ――――』
『はいはいはーい無駄口叩かないでくださーい。巻き巻きでいってくださーいほらほらほら求むアンスゥワァー!!!』
『…………………………』
『Answer!!!!!』
『男だからです。次』
『よっしゃどんどん行こうぜハイお次ぃっ! 〝好きな食べ物はなんですか?〟』
『チョコレート』
『え、かわよ』
『次』
『〝一番尊敬している、それか一番お世話になっている先輩プレイヤーは?〟』
『後ろので良ければ、西陣営の【遊火人】カグラさん』
『うおっ即答』
『あの人に興味持たれてなかったら、間違いなく俺ここに居なかったんで』
『あぁーいいですねーそういうの。【曲芸師】と【遊火人】の馴れ初めに関してはネットに記事が溢れていると思うので、気になった方は調べてみてねんっ!』
『次』
『はいはーい。えーっと……――――おっほほ……!』
『なにこわいやめて』
『〝ここで唐突にパートナーへ向けて一言お願いします〟』
『はい?』
『〝ここで唐突にパートナーへ向けて一言お願いします〟』
『いや、なにその、なにそれ、質問でもなんでもな――――』
『ここでぇ! 唐突にぃ! 可愛い可愛いパートナーちゃんに向けてぇ!』
『いやうるせぇッ! わかったよなんか言えばいいんでしょわかったよ!!!』
『ハイではどーぞっ!!!』
『……、……………………………………い、いつも、ありが、とう……?』
『なーんですかその奥さんに日頃の感謝を伝える不器用な旦那さんみたいな』
『次』
『ちょちょちょ大丈夫ですかー? お顔が赤――――』
『おら次ぃッ!!! 掛かってこいや〝お便り〟とやらァッ!!!!!』
『あーっはっは! はぁ愉快。えー、ではではお次はですねぇ……ん。〝元気で強気で戦闘中に笑っちゃうタイプの美少女(微ポンコツ)がドストライクです。ハルちゃんみたいな女の子にはどこへ行けば出会えますか?〟』
『仮想世界。あと男です。次』
『〝アイリス様に向けて一言ください〟』
『またかよ一言。オープニングサプライズ超格好良かった、で。はい次』
『〝ハルちゃんも可愛いですけど、ノノ――――ん゛ん゛ッ……えー、コホン。改めまして……〝一生のお願いで――――』
『おう改めんな。露骨に避けんな一個前のを読み切りたまえよ』
『えぇー……いやぁー……――っぁ、ちょ、やだやだ返してぇっ……!!!』
『あーっと……? 〝ノノミちゃんも可愛いですよね。なにかとドヤ顔お友達宣言していらっしゃるノノミちゃんのこと、ハルちゃんさんはどう思ってますか?〟』
『いいですからね答えなくて。このコーナー別にQ&A絶対順守とかそういうアレじゃないんですからサラッと流して次いきましょ次――――』
『かわ、いい……? うーん』
『にしてもそこに「うーん」はダメでしょう!? ノノミちゃん可愛いは可愛いでしょうが元アイドルですよ今はこんなんでも!!!』
『んー……俺、酸っぱいのが少し苦手でしてね。嫌いって訳じゃないんだけど、柑橘類って昔から自分では滅多に食べないんですよ。ミカンとかオレンジとか』
『なに、なん、なんの話してます???』
『ただ、ほら。お菓子とかで時たま味わうことがあると、あの唯一無二の爽やか風味に対して「やるなコイツ」的に感心ってか見直す瞬間があるんですね』
『本当になんの話!?』
『そんな感じです。次』
『終わった!!? ちょっと待ってくださいよ今のなんですか! ポジティブなのかネガティブなのかすらわっけわかんないんですけ――――』
『次』
『〝一生のお願いです、お嫁さんになってください!!!!!〟!!!!!』
『男だっつってんだろ!!!』
――――――……
――――……
――……
大体そんな感じの十分少々だったらしいです。