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ひとりごと

 ――――膝を抱える誰かを、誰かが見ている。


 それは遍く空白が満たす、無の狭間。


 見上げようとも見下ろそうとも、意味を成さない虚無の小部屋。


 一粒ずつ零れ落ちていく意識の欠片は、果たしてどれほど残されているのか。


 それとも、まだ残されていると錯覚しているだけで、


 『私』という存在は、既に泡沫となって消えてしまっているのか。



 ――星が見たいと、そう思った。



 空が見たいと、そう思い続けていた。



 もう一度だけ……月に逢いたいと、叶わぬ願いは永遠に。



 子供のように膝を抱える『私』を、


 大人のように膝を抱える『私』を、


 人のように膝を抱える私を――――誰かが見ている。



 色無き世界に沈む誰かの、遠い尊き記憶の中で、



 『白』に寄り添い、瞬いた『赤』の囁きが、



 夢か現か鳴り響いて、小さな世界に木霊した。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 新ヒロイン? そのうちアニマに食われて同化するのかな
[良い点] 白座…まるで人間の子供のような…(泣) 星を、空を見たい。月にもう一度逢いたい、と願いながら永久の時間を生き抜いて来たのか…もう目も見えないだろうに そんな自意識も希薄になりながらも懸命…
[気になる点] 『目覚める白の眼』『映す世界、移る世界』『遍く空を、ただ結べ』 [一言] 作者、寝ろ(意訳 : お身体お気をつけ下さい)
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