世代宇宙船
「貴様なにをやっとるか、きびきび働け!」
「は、はい」
私の祖父は宇宙船の運航要員だった。
母なる地球は酷く汚染され、宇宙船にて外宇宙に生存圏を求めて逃げ出すことが決まったのだ。
但し、それは資産階級のみで、貧乏人は滅びかけた地球に残るか、祖父のように金持ちの乗る宇宙船で、奴隷のように働かされた。
私は宇宙船の中で産まれ、祖父に学んだ。
毎日の厳しい勉強の末、いろいろな高度な知識を引き継いだ。
――地球を旅立つこと90年。
宇宙船の中で世代を重ね、我々は次なる地球を見つけた。
調査の後に着陸し、次々に居住施設を建てた。
現在、祖父はもうこの世にはいないが、人類がこれから生き残るに必要な知識という遺産は私に残っていた。
「貴様なにをやっとるか、きびきび働け!」
「は、はい」
私は今、地球を出た時に金持ちだった奴らの孫たちを、奴隷のようにこき使う。
彼らが世代を重ねる間に継承したのは紙幣や宝石のみ。
この地で人類が生き残るべき知識や技術は、彼等の頭の中には無かったのだ。
――世代宇宙船。
それは全ての人類の希望の星であった……。




