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まだ遭難ですか?

 種類は針葉樹の何か……でいいのかな? 

 とにかく、木の種類統一された森を歩き続けること十数分。


 うん、少しくしゃみの回数が増えたような気がします。

 今までさ迷ってきた雑多な森の中でも、なーんか感じてた部分はあったんですよ。

 ただ気にしてる余裕とか無かったからね。

 少しとはいえ景色が変わったことで、気が緩んだのかもしれない。


「ふへっっ…………くしっ! おうぅ……なんでじゃい……ったく」


 まさか異世界でも……とは薄々思いつつも考えないようにする。

 いやまさかそんな異世界だし種類違うでしょハハハ……。

 これはきっと何か身体が冷えたとかそんな感じだよ、うん。

 ……それはそれで危険だけどね。


「こっちの世界にティッシュってあるかな……?」


 誰かと会うことができたら聞いてみよう。

 こっちの世界について本当に何も知らない状態だから聞くこと多いけど、鼻っ紙は無いとちょっと……。

 流石に高校生にもなる女の子が垂れ流しは許されない。

 というか絶対に嫌!


「はあぁぁ~……何にせよ早いとこ食料と水を確保しなきゃね~……。木の実とか食べられそうな野草とか無いのー?」


 立ち止まり、辺りを見回しても針葉樹らしき木が鬱蒼と生えているだけ。

 足下には枝葉が転がって根っこが地面から突き出ている箇所があるくらい。

 食べられそうな野草どころか、木以外の植物が全然無いのはどこも変わらないのかなぁ。


 と考えながら歩き出そうとすると、少し先に枝葉ではない物が落ちているのが目に入る。

 なんだろ、あれ。


「丸っこい石だね……。ん、そう言えば異世界に来てから石落ちてるの見たの初めてかも」


 落ちていた場所に近付いていざ拾ってみると、それは角の削れた小石だった。

 そっか、裸足でも怪我らしい怪我をしてないのって石が落ちてなかったのもあるのかな。

 ……何だろうこの森やっぱり不思議だよね。


 いや、今はそんな事はどうでもいい!

 たしか丸い石って川の近くとかに有るとか聞いたことがある気がする。

 と言うことはつまり近くに川とかあるかもしれないよね!

 何でこんなところにポツンと落ちてるのとかはこの際気にしない!


「やっとヒントになりそうな物が見つかった……! 喉も渇いてきてるし、お願いだからせめて少しの飲み水くらいは……!」


 ちょっとこの場所に目印的な何かを残そうかな

 この場所を中心にして川とかないか探したいから、分かりやすくしておきたいよね。

 うーん……何が良いだろ……?

 取り敢えず手近な枝とか葉っぱ拾い集めよっかな。

 

 石の落ちていた場所に周囲から拾った枝葉を集める。

 模様みたいに枝を配置しようかとも思ったけど、途中で面倒になってやめました。

 代わりに持っていた枝で、集めた周囲の地面に円形の跡をつける。

 

「こんな感じで良いかな? 後は……文字でも書く?」


 という事で 【いしはっけん!】 と地面に書いてみた。

 うん、まあ分かりやすいし良いんじゃないかな。

 ちなみに石は希望を感じさせてくれた記念って事で既に拾ってポケットの中です。

 

「よーしっ、これで大丈夫そうかな。後はこの辺りの探索だけど……水の音とかしないかな?」


 シーーーーーン――――――

 

 んー……耳を済ませてみるけども何の音も聴こえないね……。

 これは当てずっぽうで歩くしかないかな。

 うーん……この森に入ってからずっと持ってる枝に決めてもらおうかな。

 ということで、「えいやっ!」っと地面に刺す。

 これが倒れた先端方向に行こう。


 ――――ぱたっ


「……うん、もう一回だね」

 

 ものの見事にここに来た方向を戻れと示してきた。

 流石にそんな戻ったら水があるとかファンタジーチックな事はないでしょ~。

 もいっかい!


 ――――ぱたり


「よし、セーフ。ちゃんと違う方向を指してくれたね」


 今度は来た方向とは真反対の方向に倒れた。

 これで進む方向は決まったね。

 何だかんだで軽い休憩にもなったし、暗くなる前に探索始めよっか。

 せっかく石一個とはいえ希望が見えたんだしね。


「……丸い石一つに希望を見出ださなきゃいけない現状を、打開しにいくぞー!!!」


 行くべき道を示してくれた枝を拾って歩き始める。

 目指せ川探し!

 出来ればお家とか人の居そうな場所を見つけたいなぁ……


 ……裸足パジャマで枝持った人間が森の中歩いている状況って、他の人に出会えたとしても警戒されるよね?

 この状況で人に会うって、やっぱりマズイ?

 






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