表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

神様ですか?

「ん……んむ……。ぐむぉ……まぶし……」


 なに……?もう朝……?

 やけに眩しいけどカーテン閉め忘れたっけ……?

 ……………眠くて頭が回らない。


「おはようございます。で良いのかな?」


「……ぁい。おはようございまゅ……んん」


 眩しくて目が開かない。

 開かないけれど今が何時なのか確認するために枕元に手を伸ばし、目覚まし時計を探す。

 あれ、時計がない。というか何にもない?

 諦めて伸ばしていた手を目元にもっていき、光を遮るようにしながら目を開ける。


「………………っっっ!」

 

 ヤバイ知らない人が目に前に立ってる待って何どういうことなのいつ私の部屋に入ってきたの変態なの逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げ――


「あー……。改めてのおはようございますになるかな?取り敢えず落ち着いてくれると嬉しいのだけれど」


 ちょっと何か話しかけてきてる気がするけど知ったこっちゃないって早く逃げなきゃ絶対ヤバイって何で足どころか手まで動かないのさっき時計探してたでしょおおおおおおおおおお!!!


「……これは落ち着くまでは時間がかかるかな?どこも動かせないのは分かってくれたと思うけれど」



………………



「ある程度落ち着いてくれたかな?」


「えっと、あの、……はい」


 んなわきゃあない。

 目が覚めたら知らない空間で知らない人が目の前に居るとか恐怖でしかない。

 まばたきすら許されなかったのは本当に怖かった。

 というか現在進行形で怖い。もう動けるのに。


「では、色々と説明をさせてもらいたいのだけれど聞いてくれるかな?」


 首を縦に振る。

 今の私にまともな受け答えなど出来るはずがない。

 

「うん、ありがとう。まずは自己紹介から始めようか。私は俗にいう神という存在になる。ただし君の世界に属する神ではなく、数多ある異世界という存在の一つに属する神なのだけれど」


 何を言っているんだろうこの不審者は。


「それでなぜ私が君を呼んだのかだけれど。実は私の属する世界でとある異変が起こっていてね?その異変というのが、私の属する世界には今まで存在していなかった未知の生物達が増えてきているんだよ。問題なのはその未知の生物、仮称外来種が生態系を壊し始めているんだ。つまり仮称外来種による在来種に対しての侵略行為だね。君にはそれを何とかして欲しいんだ。君にしか出来ない事なんだよ……」


 …………本当に何を言っているんだろうこの自称神様(不審者)は。

 正直まだこの状況に適応出来ていないので、話もしっかり入ってきている訳ではない。

 それでも!それでも私にだって分かったことがある!

 これから高校生になろうとしている人間にやらせることでは無いですよね??


「その……ですね。とてもそんな私なんかに出来るようなことではないと思いま……す……」


 私を見る真剣な目が何かちょっと怖いので萎縮して声が小さくなってしまった。

 目線もついつい泳いでしまう。


「私には出来ないことなのだけれど……ね。下手に私が手を出してしまうと与える影響が大きすぎて、在来種だ外来種だの規模ではなくなってしまう。だからこそ君にしか頼めない、君の事を信頼しての頼みなんだ」


 いや頼られるのは嬉しいし、多分凄く期待をしてくれてるんだと思う。

 でも……。


「君には何とか出来る素質があるんだよ。自然に宿る精霊達、特に木に宿る精霊達と相性がとても良いんだ。生態系を守るというのはそこに宿る精霊達を守る、いや救うことにもなるんだ。だからどうか救って欲しいんだ。」


 色々な意味でプレッシャーがすごいよぉ……。

 素質があるとか言われても私には全然分からないし、でも何とかしてあげたいって気持ちにもなってきているし……。


「ほ、本当に私に出来ることですか……?素質って言われてもよく分からないですし、もしかしたら期待外れかも知れませんよ……?」


 ただただ純粋な今の気持ちを口にする。

 不安、プレッシャー、恐怖、色々なマイナスな気持ちが渦巻いている。

 何だかちょっと泣きそうになってきた。


「君にしか出来ないと言ったが、君一人が全てを成し遂げる必要など無い。何せ君にとっては遠い、本来なら関わることのない異世界の話だ。頼るべきではない。それでも、今回の異変にいち早く気がついた木の精霊達が協力者を求めているんだ。どうか手助けをしてくれないかな」


 まっすぐと神様は私を見つめてくる。

 もう私には断ることなんて出来なかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ