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04 チクった
お嬢様の言い分はあえて聞かない。得体のしれない人間を知り合いの屋敷に置いておくわけにはいかないのだ。
だから、チクる事にした。
そしたら、予想通り幼馴染(お嬢様)に怒られたけど、仕方がない。
これでやっと、あの不審者を屋敷から追い出せる、と思ったけど……。
「なんでいるんだよ!」
「だって、私の先生だもの!」
翌日遊びに行くと、驚きの光景が。
なんか、まだいた。
しかも、お嬢様の勉強の先生になっていた。
「なんでだ!」
今日ほど猛烈に地面に四つん這いになりたいと思った日があるだろうか。
いや、あったな割と。
幼馴染(お嬢様)が迷いの森に突撃したり、魔物ハンターと化したりした時に。
僕は心の中だけで、地面とにらめっこしながら、この屋敷の防犯能力と、お嬢様とご両親の危機管理能力のなさに絶望した。