3/7
03 チクっとこう
あーだこーだ言い合っていると、置き物と化していた不審者が動いた。
「邪魔したな」
そういって窓から出ていこうとする。
ここ、三階なんですけど。
「駄目たら駄目。まだ手当してないじゃない。それに着てる服もそんなにボロボロで、お腹もすかせてるでしょ」
「ガキからの施しはうけない」
「子供とか大人とかそういうの、いま関係ないわ。人として貴方を放っておくなんてできないって言ってるの!」
「……」
不審者は言い負かされてしまった。
おいおい、もうちょっと頑張ってくれよ。
その流れでここにいられると、後々ばれた時に僕が起こられるんだぞ。
もういっそ、最初に僕からチクっておこうかな。