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03 チクっとこう



 あーだこーだ言い合っていると、置き物と化していた不審者が動いた。


「邪魔したな」


 そういって窓から出ていこうとする。

 ここ、三階なんですけど。


「駄目たら駄目。まだ手当してないじゃない。それに着てる服もそんなにボロボロで、お腹もすかせてるでしょ」

「ガキからの施しはうけない」

「子供とか大人とかそういうの、いま関係ないわ。人として貴方を放っておくなんてできないって言ってるの!」

「……」


 不審者は言い負かされてしまった。


 おいおい、もうちょっと頑張ってくれよ。


 その流れでここにいられると、後々ばれた時に僕が起こられるんだぞ。


 もういっそ、最初に僕からチクっておこうかな。



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