6:バイク少女とステータス
昨日PV数がえらい伸びてて、嬉しさのあまりチンパンジーの鳴き真似しながら阿波おどり踊ってました。
多分本場の方が見たら手が伸びてないとか足が違うとかキレられまくったと思います。
死闘を繰り広げたサクラは草原のド真ん中で足を放り出すように座りながら、持ち物の中に入っていた『初級ポーション』なる飲み物を飲んでいた。MMOではもはや当たり前のものだが、これはログインボーナスである。
「んくっ……なんだろう、この味。エナジードリンクみたいだけどちょっと薄いな。水混ざってるみたいだ」
サクラがポーションを飲み終えると、身体の周りを緑の光が囲み、HPバーが中程まで回復した。
「さすがに一本では全快しないか……えーい、一気だ!」
一気にすべてのポーションを口の中に流し込む。腔内が独特の甘さに満たされるが、我慢してゴクリと飲み込んだ。
「うぷっ、現実だと絶対気分悪くなるよね……」
そんなことを思いながら、だらしなく地面に寝転がった。
サクラの頭上には夏のような青空が広がっており、羊のようにふわふわな雲が地面に陰を落としながら空を駆けていった。
このまま寝ちゃってもいいかな。なんて思いながら目を閉じるサクラ。しかし安眠は訪れない。
「……さっきから光ってる『レベルアップ』ってなんだろう? ただの通知じゃないよね」
そう、視界の端に爛々と輝くレベルアップの文字が目を閉じても消えないのだ。
「邪魔だな……えい!」
サクラは触れれるかどうかも分からないのにそれを手で払った。すると今度はステータスと書かれたパネルが目の前にデカデカと出現した。
「余計に邪魔なのが出てきたな……って、ん? もしかしてこのステータスポイントって最初みたいに割り振れたりする?」
サクラは自分が初期ステータスのまま戦っていることにようやく気づいた。このゲームではレベルアップ時にステータスポイントが与えられて、それを割り振ることで強くなるのだ。だが、今までレベルが上がれば勝手に強くなる系のゲームしかやったことのないサクラにとって、それは全くの未知の経験であった。
「うわー、すごい、そこまで自由なんだ!!」
新しいおもちゃを前にした子供のように目を輝かせる。
最初のレベルアップ以来、一度も割り振っていないため、ポイントは32溜まっていた。
「Lv18……32ポイント……結構溜まってたんだね。んー、そしたらどう割り振ろうかな」
今サクラに必要なのはお金だ。そしてお金を得るためにモンスターと戦っている。
すなわち必要なのは強さ! そして速さ! と短絡的に考えた結果、STRとAGIに振ることにした。
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【サクラ】
Lv.18
HP 50/50
MP 50/50
【STR 50〈+20〉】
【VIT 24】
【DEX 24】
【AGI 36】
【INT 18】
装備
頭 【空欄】
身体 【空欄】
右手 【革のグローブ】
左手 【革のグローブ】
足 【革のブーツ】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【カウンター・セブン】
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「これでいいかな」
サクラは満足げに自分のステータスを確認すると、全身を使って跳ねるように起き上がると、
「よーし、、もっとモンスターを倒すためには……森だよね!」
視界の先に捉えた森へ進んでいった。
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