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51.変異種

51


 山を駆ける。

 山頂にたどり着くと、先ほどぼくがぶっ飛ばしたはずの白いゴブリンが、何事もなかったかのように立っている。

 

 ===ステータス===

■ハイゴブリンホワイト(38)

・種族:魔物

・レベル.42

・体力:A 魔力:A 精神力:S パワー:B スピード:C 運気:A 器用度:A

・スキル

 SS:『カリスマ』『予知』

 S:『軍師』

 A:『耐久力向上・強』『ステータス確認』

 C:『潜伏』


 この異常な耐久力は『耐久力向上・強』だけによるものではない。『予知』でぼくの攻撃を初めから知っていて、首に分厚い鎧を重ねて防いだんだ。


 このゴブリンこそ変異種。

 複合スキル『カリスマ』よって味方の士気向上、能力向上、連携を強化し、群れの力を底上げをしている。さらに『予知』によって自分の行動の結果を知ることができた。自分の行動と結果の検証はゴブリンにはない高い理性、自制心を芽生えさせた。そこでハイゴブリンに進化した。

 白ゴブリンは群れの力を強化し、スキルを使った訓練をさせ、高度なスキル持ちの仲間を探した。いくつもの群れを吸収し優れた者を選別。中にはスキルを吸収できるもの、スキルを複製できるものもいた。


 つまり白ゴブリンのスキルはぼくを倒すため選んだものだ。

 ぼくに見つかったのもぼくをおびき出すための罠。

 

 気付いた時にはゴブリンがぼくの背後を取っている。触れたもののスキルを封じる『スキル・オフ』を持つゴブリン。さらに念動力で対象を操作できる『テレキネシス』のスキル持ちがぼくの動きを封じる。

 このゴブリンたちは別の『認識阻害』のスキルをもったゴブリンによってぼくに認識されない。

 

 それだけではない。ぼくはここに来るまでに千匹以上のゴブリンを殺した。

 バッドステータス系のスキルや闇魔法により、ぼくはパワー、スピード、体力が落ちている。

 

 そこに一際大きい鎧を着たゴブリンが近づいてくる。

 

===ステータス===

■ハイゴブリンジェネラル(36)

・種族:魔物

・レベル.38

・体力:S 魔力:B 精神力:S パワー:A スピード:B 運気:C 器用度:C

・スキル

 S:『武力』

 A:『悪食』

 B:『直感』

 C:『威圧』『索敵』


『悪食』は喰った者のスキルとステータスを奪うスキルだ。

 ぼくは抵抗する術もなく、肩からガブリといかれる。


 スキルもステータスも失っただけでなく、ぼくはこいつらに大量のスキルという恩恵を与えてしまう……


 


 山を駆け登った。

 山頂にたどり着くと、先ほどぼくがぶっ飛ばしたはずの白いゴブリンが、何事もなかったかのように立っていた。

 

 神様の言った通りだ。

 

 ぼくは『潜伏』を解いて『威圧』を発動した。


『スキル・オフ』をまず封じさせてもらう。認識してなくても近くにいるであろうゴブリンはこれでぼくに近づけない。


『予知』にない行動に白ゴブリンが驚いた。でももう遅い。再び『予知』をして作戦を変更される前に、戦力を奪わせてもらう。


 手に持ったのは四つの石ころ。


《後ろ、六時。右前方、二時。左後方、八時の方向》


 言われた場所には何も見えない。でもぼくは石を投げた。『認識阻害』は特定の相手から認識されなくするスキル。でも神様には効かない。

 石を投げても手応えは感じないけど三つ目の投擲で、突如風穴が空いたゴブリンが現れ、正面にいたゴブリン将軍も認識した。

 三匹目が『認識阻害』を持っていたようだ。


[グルゥ……]


===ステータス===

■ハイゴブリンジェネラル(36)

・種族:魔物

・レベル.38

・体力:S 魔力:B 精神力:S パワー:A スピード:B 運気:C 器用度:C

・スキル

 S:『武力』

 A:『悪食』

 B:『直感』

 C:『威圧』『索敵』


 人型のハイゴブリンたちよりも二回りほど大きい。

 鎧を着ていると人間みたいだ。作戦失敗に動じているのを見ると人間臭く感じる。

 でも容赦はしない。

 

 おっと、そうだ。

『直感』があると石は避けられるかもね。


『テレキネシス』で動きを封じてからにした。このスキル、ぼくと相性がいいのかかなり自在に使えるぞ。

 動きを止めるだけじゃなく、このまま握りつぶせそうだ。


 宙に浮いた状態でもがくが、鎧ごとぐしゃりとゴブリン将軍は肉塊に変わった。

 あっけない。


 残るは一匹。


[……]


 てっきり逃げるのかと思ったら、白ゴブリンは落ちていたガンドールの斧を拾って構えた。


「その斧を持てるということは、お前もただのモンスターじゃないんだな」


 正直、たかがモンスターがぼくを殺す算段を立てて実行できるとは思わなかった。神様の忠告が無ければぼくに一太刀、加えることができたかもしれない。


「でも、この結果は変らなかった気がするよ。まぁ経験則からくる勘にすぎないけど」


[『予知』で見えたのはこの斧がおれの首に届くところまでだった]


 言葉が?

 いや、ぼくの『言語マスター』か。


[ここから先、おれの攻撃が届くかどうかは分からないというわけだ]


 これから死ぬというのに、妙に嬉々とした感じだ。あれかな? 今までは全部『予知』して決めて来たから、こういうスリルが無かったとかそういうことか?

 ぼくは『認識阻害』で背後に回り、確実に首をねじ切るつもりだった。でも正面から戦うことにした。言葉を通わせて急にこのゴブリンに感情移入したとかではない。

 ぼくは今からこのモンスターを圧倒的暴力で殺す。そこに何のためらいもない。でもこの思考するケダモノに卑怯だと思い上がられるのは、ぼくも男だから許せない。


「『スキル・オフ』」


 自分のスキルを『スキル・オフ』以外全部封じた。


 これで対等とは言えないけど、ぼくがスキルに頼って戦っているわけではないということを証明してやろうというのだ。


[ガァルダ、ディ、メスティ、ギィ、△〇※……]


 もうわからないよ。


 手加減をしなかったため、白ゴブリンはバラバラになった。もちろん、反撃する暇も与えなかった。


「勝算があったのかな?」

《闇魔法で即死級の呪いを自分に掛けてたみたいだよ。コルには効かなかっただけ》

「ああ、ぼくもう死んでるからか」


 敵わないなら道連れにしようということか。


「そうだ、最後になんて言ってたのかわかる?」

《『奇妙なマネをする。だからお前は人なのだな』だって》


 奇妙なマネか。

 それはおまえに言われたくないね。


 なんだかとても気分が悪い。

 よく見ると、ダメージを食らってないのに体中に傷や毒に侵されてるところがある。

 ここに来るまでで色々呪いをもらってたみたい。

 でも、原因はたぶんこれじゃない。


《途中で『闇魔法耐性・上』になったから、呪いで死ぬなんて無理だよ?》

「わかってるよ! ちょっと思っただけ」


 これは一太刀には入らないよね。


 ===ステータス===

■コルベット・ライソン(享年17)

・種族:アンデッド?

・職業:ゾ ン ビ ニ

・レベル.219→238

・体力:SSS 魔力:SSS 精神力:S パワー:SS→SSS スピード:SS→SSS 運気:A 器用度:EX

・スキル

 EX:『時 間 停 止』『霊 体 化』

 SS:『★予知』『★カリスマ』『★スキル・オフ』『スキル強奪』

 S:『★軍師』『★武力』『治癒』『言語マスター』『オートスキル』『経験値倍加』

 A:『★耐久力向上・強』『★悪食』『★認識阻害』『★テレキネシス』『クリティカル』『投擲・極』『火魔法・熟』『文筆・熟』『ステータス確認』

 B:『★闇魔法耐性・大』『★風魔法耐性・大』『★毒耐性・大』『鍛冶・中』『千里眼』『洞察』『盾・中』『嗅覚向上・大』『視覚向上・大』『聴覚向上・大』『酸耐性・大』『解毒・大』『革細工』『改竄』『直感』『棍棒・中』『再生』『筋力向上・中』『斧・中』『火耐性・大』

 C:『土魔法・初』『水魔法・初』『風魔法・初』『大剣・初』『威圧』『縄・初』『拷問』『消化・吸収』『調合・中』『採取・大』『見切り』『潜伏』『索敵』『体温調節』『精肉・中』『短剣・初』『飼育・中』『栽培』『裁縫・中』

 D:『金属加工・初』『粘着耐性・小』『風耐性・小』『光耐性・小』『解体・中』『弓・初』『調理・中』『掃除・中』『採掘・中』『伐採』『算術・初』

 E:『不安増大』『虚弱』『発声・初』『看病・初』『採石・小』『釣り』

 F:『運気ダウン』


 スキル獲得前のダメージも『再生』ですぐ無くなった。


「そうだ、落ち着いてる場合じゃない。街へ戻らないと!!」


 グレートファームの防衛は全部ルカたちに任せてしまった。いや、心配はしてないけど、万が一と言うこともある。


 ぼくは急いで街に向かって飛んだ。


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