第1話 転校生おしるこ
「善哉くん! 初日から遅刻って舐めているのかしら?」
「いえ」
「いーえ! 私が新米教師だからって舐めているのでしょう?」
「いえ」
「いーえ!! 私は背も低いし可愛いしで舐められやすいと思ってはいたのだけれども、転校初日に遅刻とはいくら何でも舐め過ぎよ!」
そう、俺は今絶賛説教され中だ。
正門をくぐり、ノコノコと教室に向かっていた俺は135㎝程の珍生物と遭遇。
不良生徒と間違われた俺は珍生物に問い詰められ自身が転校生であることを告げる。
俺が転校生であることを知り急に怒り出した珍生物はなんと俺の担任教師だったのだ!
そのまま珍生物改め担任教師に職員室まで連行させられた俺は説教されることと相成った訳だが…………
「だいたいねぇ!」
「先生!!!」
「なっなによ! 背が高いからって偉そうに!」
「先生は可愛いくありません」
「なっ!?」
そう、低身長で可愛いロリババアなどアニメーションじゃああるまいし、都合よく存在するハズがないし需要と供給の観点からしても希少価値を上げる為に存在していい訳がないのである。
まあ先生は新米教師ということに低身長を合わせて百歩譲ってロリはいいがババアではない。
で、顔がよければロリでも許される感があるのだが………言っちゃあ何だが先生はまあまあのブスだ。
致命的なブスではなくまあまあのブスという所がポイントで、これは一方的な推測と偏見だがおそらく大学時代にオタサーの姫+肉便器でもやっており、逆ハーレム状態をこじらせたまま教師になってしまったのであろう。
普通のまあまあなブスの女性は身の程をわきまえているため、もっと落ち着いた大人の女性な雰囲気を醸し出していてもおかしくなく、更に言わせてもらえばまあまあなブスである自身の顔を生かした魅力を作り出すことに成功している方が多い。
そして先生は雰囲気が魅力的ではない………
後は言わなくてもわかるな?
「あっ! あなっ! あなたはっ!」
「それでは自分は授業に参加し学生の本分を果たしてきます」
「待ちなさい!!」
「いやどす」
「きいぃぃぃっ!!」
俺は逃げるように職員室を後にした。