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第1話 遅刻野郎おしるこ
9時か……寝坊しちまった……まさかの転校初日から遅刻とはな!
だが俺は慌てない。慌てようが慌てまいが遅刻という事実を覆す事はできないし、慌てて反省している体を見せようが怒られることに変わりはないのだ。
1分遅刻しようが1時間遅刻しようが遅刻は遅刻。
遅刻しなかったという状態に持っていくことが不可能だと確定した場合、むしろ堂々とすることにより心に余裕を保たせる。このことが遅刻による罪悪感を薄めることに繋がるのだ。
また慌てた結果、交通事故にでも遭って死んでしまったら元も子もないではないか。
死ぬことと遅刻することの2択ならば誰しもが遅刻を選ぶであろう事は明白。
まあ遅刻するよりかは遅刻しない方がいいだろうが、そういうことを学んでいくのも学校ならではだしな。
そんなこんな言っているうちにようやく学校が見えたぜ。
ギリギリ自転車通学を考える距離だったから、いい機会だし後で学校に許可証貰って帰りにママチャリ買いに行こうっと!