第1話 新たなる希望
『おっしるこ!! おっしるこ!! おっしるこ!! おっしるこ!! おっしるこ!! おっしるこ!!』
緊急放送終了後の学生食堂では『おしるこ』コールの大合唱が発生していた。
それもその筈「あの藤堂が転落するかもしれない立役者おしるこは我々にとって『新たなる希望』だ!」と優等生達がクラス関係なく吹聴して回ったのだから当然とも言える。
そんな中、藤堂は一瞬おしること女校長の共謀を疑ったが直ぐに改めた。おしるこが怒っているのが理解出来たからだ。
(おそらく女校長の単独犯行……担任教師は逆らえないから……まあ致し方あるまい)
一方おしるこはというと
(非常にマズイな……これでは俺がクラスの敵認定されてしまいかねん! 好感度を上昇させた意味がなくなってしまう。女校長は後で用事ついでに仕返しするとしてこの場をなんとかしなくては)
とても焦っていた。
「皆待たせたな! さあ一緒に飯を食おう! なあ藤堂くん!」
「皆さっきは申し訳ない。善哉くんに助けてもらえて僕は感謝の念に堪えなかったよ! こんなにも素晴らしい善哉くんが僕たちのクラスに転校して来てくれて僕は『優等生として』藤堂個人として歓迎したいと思っている!」
「あたりめーよ!」
「もうおしるこはあーしらの仲間だかんね」
「藤堂……気にしない………藤堂」
「気にするなや藤堂くん。藤堂くんも主人公格なんだから」
「藤堂も完全復活だなーこれで全員集合だなー」
「ふん! 藤堂はまだ私の執事には相応しくないわね!」
「1万円札……でへへ」
(『優等生として』か……クックックックッ! 暗に『藤堂個人としては歓迎してない』って言っているのと同じだろ、このホラ吹き野郎! だがまあなかなかいい攻撃だとは思うぜ藤堂!)
「さあ藤堂くんは何を食べる? 俺は『かつ』丼を食べようと思っているのだけれど?」
「おっ! おしるこ! わかってるじゃねーか」
「あーしもかつ丼」
「おしるこ……かつ丼……おしるこ…」
「かつ丼ですか漫画で描くのはテクニックがいるのですよね」
「かつ丼かーおいらもかつ丼かなー」
「おしるこが選んだのならば、かつ丼でよろしくってよ」
(この藤堂に『かつ』丼希望者がマンマンつまりカーストチェンジに勝つ気マンマンと言いたいんだな! なかなかに小洒落た真似をしてくれるなおしるこ!)
「僕もかつ丼にさせて貰うよ。みんなで同じ物を食すと『楽しいから』ね」
「そうだな! じゃあまこと! 注文しに行こうか」
「でへへ……ふぇ?………あっああっ! 分かったわ! ってだからさん付け! はもういいか…行こうかおしるこ」
「おう」
(善哉おしるこでなく藤堂でも『クラスが楽しい事には変わりない』と誤魔化しやがったな……上手く防御されて引き分けちまったがまあいいだろう……この場の空気は改善出来たみたいだからな)
その後、かつ丼を食べ終えた一行が帰路につく中おしるこは用事ついでに仕返しするために校長室へ向かっていた。
(少しは懲らしめてやらんとね女校長さんよぉ!!!)




