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テモンとナッスガ  作者: 宇宙猫
転校生がやってきた
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第1話 女校長と長老と担任教師



「何っ!? それは本当の事なのか! 長老!!」


「ほっほっ! 嘘をついても仕方があるまいて」



 女校長『春野ユキロ』は歓喜していた。


 史上初のカーストチェンジだけでも驚くべき事だがカーストチェンジを申し込まれたのがあの藤堂優等生なのであるから興奮せざるをえない。


 藤堂優等生と言えば教師陣間において「藤堂の三年天下」(藤堂卒業マデ対抗勢力存在セズ)と有名で在籍するクラスは「難攻不落の藤堂要塞」と呼ばれている。


 他クラスの生徒間では藤堂優等生の事を「超越者藤堂」と呼び在籍するクラスを「不沈空母藤堂」と呼ぶ始末である。



 何が言いたいのかと言うと藤堂優等生とカーストチェンジは結びつける事は絶対に不可能である……いやあった訳だ今までは。


 しかし長老の話に出て来る謎の転校生がやってくれた!!


 あの藤堂優等生に事故を装って公開脱糞を強制させたのだ。


 そして場の流れを巧みに利用してからの有無を言わさぬカーストチェンジ宣言!!






 何という手腕! これはひょっとしたらひょっとするかもしれんな!!


 しかし本当に謎な転校生だな……転校生の存在は知っていたが…そうだ!



「長老!」


「何じゃ?」


「転校生審査講師陣を校長室に呼んでくれ!!」


「ほいほい」



 長老が校長室から出るのと同時に藤堂優等生クラス担任教師が入ってきた。正式報告であろう。



「どうした? 何かあったのか?」


「はっ! 本日付けで本校藤堂優等生クラスに転入した善哉おしるこが1200時、藤堂優等生に対しカーストチェンジを宣言。同時刻、担任教師の権限によりカーストチェンジを許可。これを藤堂優等生が受諾しましたので契約成立と判断しカーストチェンジの開催決定。以上の事を報告に参りました」


「そうか」


「はっ! これにて失礼いた」


「まて」


「は?」


「私にいい考えがある」


「いい考えでありますか?」


「ああ、少し待て」



 ~5分後~



「連れてきたぞい」


「よし! 講師陣はこっちに来い!!」


「「「校長一体?」」」


「講師陣! 善哉おしるこについて分かっている事を全て教えろ!」


「「「はっ?」」」






「善哉おしるこだ! 本日付けで本校に転校して来た転校生だ!」


「「「ああ。彼ですか……」」」


「どうした? 早くしろ!」


「善哉おしるこ15歳、役割は転校生隠しランク最下位……です」


「役割が転校生だと!?」


「彼……特徴らしい特徴もないし何かこれといってやりたいことがない……んですよねぇ……だからこういう評価にせざるを得なかったのですが……彼がどうにかしたのでしょうか?」


「本日、善哉おしること藤堂優等生がカーストチェンジを開催する」


「「「何ですって!!?」」」


「善哉おしること藤堂優等生のカーストチェンジだ!! 貴様ら講師陣は善哉おしるこに騙されたという事だよ!!!」


「「「そんな馬鹿な……」」」



 講師陣はショックを受けていたが同時にどこか納得していた。


 高身長で爽やかフェイスなおしるこに無意識下で惹かれていたのは自覚していたからだ。


 そもそも楽しくもなんともない転校手続きで講師陣が楽しくなってきてしまったのは善哉おしるこが最初で最後であろう。



「もういい下がれ!」


「「「はい……」」」





「担任教師! 貴様の見立てで現在の戦況を答えろ!」


「はっ! 現在五分五分かと!」


「転校初日に遅刻したにも関わらず五分と五分か! では担任教師、貴様は善哉おしるこについてどう考えているか! 答えよ!」


「はっ! かなりの大物かと!」


「よろしい! 貴様の考えを聞いて決まったわ! 本日のカーストチェンジ全校舎にライブ配信する!!」


「はっ!」


「ほっほっ」



(ライブ配信とは校長も思い切ったわね!)



 担任教師はこれからの展開に期待しながら退室した。





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