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テモンとナッスガ  作者: 宇宙猫
プロローグ
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第0話 入居者おしるこ



~賃貸マンション前~



 やあ、みんな! 俺の名は善哉ぜんざいおしるこ。今日から一人暮らしをすることになった高校一年生(男)だ。


 夏休み初日にメンヘラ親父との決闘に完全勝利した俺は転校の権利と一人暮らしの権利を獲得し、グズるメンヘラ親父に念書を書かせたのち二学期から転校出来るように手続きしてここにいるってわけさ!



紅葉「おしるこ。しっかりやるのよ」


「ああ……」



 この人は俺の母さん善哉紅葉ぜんざいもみじだ。


 ちなみになんだが親父がメンヘラ化したのはこの人が原因である。


 親父も昔はなかなかの男だったらしいのだが、母さんがハイスペックだったがため自身の存在意義に疑問を覚えたのがメンヘラ化のキッカケらしい(親父談)



「母さん…親父は…」



紅葉「大丈夫よ。お父さんは身内が居れば居るほど駄目になるのだから、家族がいない方が逆にまともになるわ」



 そう、我が家は親父のメンヘラ化解除の為に現在一家離散状態。


 俺も紅葉母さんも親父を嫌いになった訳ではない。ただ単にメンヘラ親父は気持ち悪いのだ。


 なんとも悲しい話である。


 小四の妹もいるのだが、田舎大好きな妹は既に紅葉母さんの実家で暮らしており紅葉母さんは妹について行っている。


 つまり最近までメンヘラ親父と俺の二人暮らしだったわけだ。



後は言わなくても分かるな?






 初めての一人暮らし! 初プライベート空間! 俺の城! 俺は自由! そう思っていた時期が俺にもありました。



~時刻は21時~



「アッアッアッアッ!」



 おわかり頂けただろうか?


 壁の向こうから聞こえて来る怪音である。


 怪音改め喘ぎ声である。


 ちなみになんだが明日は学校初日で今日は引っ越しだったので挨拶回りはしていない。


 もう一度言おう挨拶回りはしていない! する元気なかったからね。


 さて、はたして挨拶回りもしていないのに騒音苦情の申し開きをしてしまって良い物なのだろうか?


 まあ駄目だよなー我慢我慢っと……



~時刻は深夜3時~



「アッー! アッ! アッ! アゥッ!」



 屑共が…………



 ドッゴオオォォン……ピンポン! ピンポン! ピンポーン!



「開けろコラアァァァ!!!」



 おしるこです。壁ドンなんて生ぬるいので玄関ドゴォンやってます。



 ピンポーン!



「貴様ら何時間セックスやってんだぁ!」



 ドッゴォォォン



「オラァ! いい加減出て来て謝罪の一つでもしたらどうだぁ!」


 ドン! ドン! ドン!



「開けろ開けろ開けろ開けろ」



 ガチャッ!



「ちょっと! 一体何なの!?」



どうやら隣り部屋の向かい側の住人らしいお姉さんを起こしてしまったらしい






「これはこれはこんばんは」


「あなたねぇ! こんな夜中に何やって……………………らっしゃるんですの?」



 今更だがおしるこは195㎝の高身長である。お姉さんの言葉使いが変になっても不思議ではない



「実はですねお姉さん、かくかくしかじか」


「そう…6時間も…よく我慢したわね……」


「ええ」


「安心なさい!」


「どういうことです?」


「このフロアというかこのマンション3部屋しか入居してないわ!」


「うまい話ってあるもんですね」



 おしるこは心の底から安堵していた。

(良かった! これで挨拶回りの心配しなくて済んだ!)



「じゃあやるわよ!」


「え?」


「私たちの安眠を妨害した色ボケコンビに謝罪させるのよ!」


「なるほど!」


「私がインターフォン連打するから、あんたは玄関を殴り続けなさい!」


「はいっお姉さん!」





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