壱・『古事記』と『日本書紀』
おべんきょー
壱・『古事記』と『日本書紀』とは。
「天武天皇様の代にはじめられた国史編纂事業は奈良時代に完成し、『古事記』『日本書紀』と呼ばれております。・・・これは兄上もご存じですよね。」
「おー、あれだろ?母上が毎夜寝物語で聞かせてくれた。」
「はい、それの事です。じゃぁ、『古事記』の著者はご存じですか?」
「あぁ?書いたやつだァ?・・・人間のこと知るかよ。」
「・・・言うと思いました。太安万侶様でございますよ、兄上。」
「天武じゃねぇのかよ。」
「天武天皇様はこの日の本を治める方ですよ?昔語りの編纂なんて自分ではそうやすやすとはできません。まず、兄上は天皇家の方々を一体何だと思っておられるのですか。」
「玉座でふんぞり返ってるオッサン。」
「・・・殺されたいのですか。今なら不敬罪適用できますよ。」
「スミマセン、ウソです。調子乗りました。ゴメンナサイ。」
「まったく・・・そもそも『古事記』というのは宮廷に伝わる『帝紀』『旧辞』などをもとに編纂されたアマテラス様や国生みなどの神話や伝承から推古天皇様までの物語なのです。文は口頭の日本語、漢字の音訓を用いて表記されています。」
「うん、うん。」
「対して『日本書紀』は舎人親王様が中心となって編纂されたもので、中国の歴史書にならい、漢文の編年体で書かれています。」
「親王サマは暇人だな。」
「黙りましょうか、兄上。」
山川出版社 『日本史A読本』参考。