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『プロローグ』
短いですねー
『プロローグ』
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「おーう、晴明ー、様子見に来たぞ~。」
晴明がいつもいる部屋に入ると晴明は文を読んでいた。
「おや、兄上良いところにいらっしゃいました。そこにお座り下さい。」
晴明は読んでいた文から顔を上げ、黎明を真っ直ぐ見据えた。その目はいつも通りの生真面目な性格丸出し、仏頂面の晴明であったが、少し黎明は違和感を感じていた。それと同時に感じるのは、一瞬の嫌な予感というやつ。とても短い時間に感じた不快感に黎明は冷や汗を流していた。
黎明は毎日を楽しく生きるその日主義者だ。対して双子の弟である晴明はコツコツ主義者。まだ一緒に住んでいた頃によくしていた目をしていることに気付いたがもう遅い。妖狐黎明は双子の弟であり陰陽師である晴明の術中に嵌ってしまっていた。
「兄上。・・・勉強致しましょうか。」
淡々と告げられる言葉と後ろでひとりでに障子の閉まる音は黎明に対する死刑宣告だった。
短かったですねー