7
目の前に置かれたコップには、禍々しい色をした液体が入っている。
‥‥うん、なんて言うか‥‥なんて言えば良いんだろう‥‥‥
「はい、どーぞ!美味しいよ~」
正面に座る女の子に、いい笑顔で薦められた。
「ははっ‥あ、ありがとうございます‥」
やっぱり、俺の分なのか‥飲まなきゃ駄目なのか‥‥ってか飲めるの?
そんな事を考えていると、女の子はペラペラと書類を読み上げ始めた。
「うーんと、大原真一君。高校二年生十六歳、部活動は手芸部で‥‥」
俺に関する情報らしい。
‥‥ちなみに手芸部は先輩方による強制入部です。
決して自分の意志じゃありません。
そう心の中で訂正した。
女の子は更に読み上げていく。
「えっと‥得意科目は体育かぁ‥わぁ~!足早いんだね!苦手科目が音楽で備考欄‥‥‥‥え?何それ‥‥」
女の子が一瞬変な顔をしたけど、直ぐに元に戻って‥
「えっと、間違いないよね?」
と、確認して来る。
うん。間違ってない。
けど、音楽は別に苦手じゃない。
ってか、備考欄になんて書いてあったんだ?
とか思いつつ‥
「間違ってないです」
と、答えた。
「うん、それじゃあ‥‥」
「改めまして社長のリアン・ネージュです。リアンって呼んでね~真一君!!」
女の子‥リアンは笑顔で手を差し出して来た。
「えっと、よろしく!リアン」
俺はリアンの小さな手を握った。
‥‥ちなみに俺を連れてきたあの死神、今現在リアンの踏み台として絶賛活躍中の状態だ。
まだまだ、起きる気配が無さそうだ‥‥。
今更な主人公情報。