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あぁ、なんだかとても、気になってきた。
なんで?
なんで、死んだんだ?
ダメだ。思い出せない。
思い出せるのは、夜道を歩いていた記憶だけ。たぶん、これが最後の記憶。
‥この後に死んだんだ、きっと。
急に、固まった俺を不思議に思ったのか、話しかけてきた。
「どーした?やっぱ、未練あったか?でも、残念だったな、無理やりでも連れていくぞ。」
腕を掴む力が強くなる。
「嫌だ。なんで、死んだかも分からないのに、連れていかれてたまるかあああ!!」
そう叫んで、暴れる。
「死んだ原因?あー、それなら調べてやるから、ちょっと待ってろ。」
えっ、調べられるの?
ってか、調べてくれるんだ?
死神は手帳みたいなのを、パラパラめくる。
「おっ、あったぞ。お前の死因は‥」
「死因は、なに?」
なぜか緊張する。
「大原真一、八十歳。入院先の病院から脱走。その後、トラックに跳ねられ死亡‥だとよ。納得したか?」
「納得できるかあ!!」
八十歳の時点で、おかしい。
大体俺は、高校生だし。
「‥自殺でもしたか?」
「してねぇ!!」
結局、疑問は晴れないままだった。