眠れない夜に心の優しさと温かさを
眠れない夜を経験したことのある方は多いと思います。このエッセイを書いた理由は、私も今、眠れない夜を過ごしているからです。エッセイの中で、穏やかな気持ちになって眠れるようになるヒントを書いたつもりです。どうか、このエッセイを読んだ皆様の心が穏やかな光に包まれますように。
誰にでも眠れない夜はあるでしょう。
病気で眠れず、睡眠薬を飲んでも眠れない夜もあるでしょう。
健康でも、眠れない夜はあるでしょう。
孤独で長い夜。
寂しさで心が寒い夜。
怒りでムカついて眠れない夜。
憎しみに囚われて眠れない夜。
眠れない理由や原因はひとそれぞれ。
眠れないときにはどうしたらよいのでしょうか。
専門家の意見を聞いて、それを実行するのも良いでしょう。
しかし、理論では解決できない、長い長い暗い夜もあるでしょう。
今このエッセイを書いている私は、その長い長い暗い夜にいます。
私に酷い仕打ちをした人を憎み、呪い、その憎しみや呪いが自分に返ってきて眠れない夜があります。
それでも、その暗く禍々しい感情の中に、時折、美麗な光が差し込むことがあるのです。
私の心の中では、とても温かくて美しい二つの記憶が輝いています。
二つとも、とても優しくて温かい心をもった女性たちが輝かせてくれました。
ひとつは、私がとある場所に一時期通っていたことがあり、そこで出会った方(Aさん)が私に優しさを紡いでくれた記憶です。Aさんは、とても心が綺麗な方で、私に話しかけてくれ、ご自分の色々な思いや経験を私に教えてくれました。私もその思いに応え、率直な意見をお伝えし、仲良くなりました。Aさんは、私に会うたびに笑顔で手を振りながら、時に私の名前を呼んで挨拶をしてくれました。私はそれがとても嬉しく、Aさんの優しさと温かさ溢れる挨拶に心が華やぎ、心の中に花が咲き誇り、広く美しい花畑が生まれました。Aさんと会うことがなくなってから半年以上経ちますが、私に突如降りかかる理不尽な出来事で心が一時的に荒んでも、Aさんの優しさと温かさから生まれた花畑は、私の心の目に壮大に美麗に映り続け、私の心が闇に落ちる前に光の世界に引っ張り上げてくれます。Aさんとは連絡先を交換しなかったので、今後会うことは二度とないとは思いますが、Aさんには感謝の気持ちでいっぱいで、今、Aさんの心も私の心と同じように優しい光で包まれていてほしいと心の底から願っています。
もうひとつは、私が持病で特殊な治療を受けるために病院に行った時の記憶です。その治療には、効果が期待できる反面、きつい副作用もありました。治療後に頭が割れるような激しい頭痛がしたため、ある看護師さん(Bさん)から鎮痛剤をいただきました。その際、私にBさんは優しくて温かくて心のこもった声で、「良くなりますように。」と言ってくれました。その瞬間、私に雷が落ち、衝撃を受けました。看護師さんの仕事は厳しく、面倒な患者や迷惑な患者や時に問題行動をとる患者などがいて、ストレスフルで、一人ひとりの患者に優しくする余裕は大方の看護師さんにはないだろうと思っていましたが、Bさんは違いました。Bさんの温かさは本物で、プロフェッショナルさに留まらない、〈人の温かさ〉でした。その温かいお言葉でも、Aさんのケースと同様に、私の心は華やぎ、花が咲き誇り、私の心一面に花畑が生まれました。
人の優しさや温かさが織り成し、人に紡がれた記憶には非常にパワーがあります。私は『つなぐよ子に』というユニセフ・マンスリーサポートプログラムに参加しており、毎月少額ながら、世界中の子供たちの幸せを願って寄付を長い間続けています。理不尽なことを経験したときに、何度か寄付をやめてしまおうかと思ったことがあります。しかし、そのたびにBさんの温かい「良くなりますように。」の美しい記憶が降りてきて、私がなぜユニセフに寄付をしてきたのかを改めて考えさせられ、私も世界中の子供たちの幸せを願い、子供たちの未来が明るく【良くなりますように。】と思っているからだと気づかされます。そのため、何度寄付をやめようかと思っても、結局はやめることなく続けています。
さて、眠れない夜に私はこのエッセイを書いていますが、現在、私の身に降りかかった理不尽な出来事について相談した人から言われた心無い言葉に対する強い憎しみの感情が原因で、眠れなくなっていました。
AさんとBさんを追憶し、色々と記しましたが、彼女たちに共通しているのは心の優しさと温かさです。人の心の優しさと温かさは人から人へと紡がれていき、紡がれた人の心の中で大きく成長し、また次の人へと紡がれていきます。その美しい営みは、人が抱える心の闇を明るく照らす強力な力があると私は信じています。皆様も眠れない夜には、心の中に人の優しさと温かさの記憶を探してみてください。そして見つけた美しい記憶に心を預け、深呼吸してみてください。皆様が少しでも眠れるように、心の底から願っております。
このエッセイの最後の一文を書いている私の心の中にあった憎しみは弱体化し、AさんとBさんが紡いでくれた心の優しさと温かさにより、穏やかな気持ちになっており、この後は眠れそうです。
読んでいただき、ありがとうございます。皆様の心に何か残りましたら幸いです。




