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ロストワールド2

【1939年 2月 4日 南極 ロストワールド】

 

拠点を置いた探検隊は数週間前、南極の氷の大地で行ったことを再度行った。

数班に隊を分け3日間徒歩で移動し、丘など目立つ地理的特徴を記録していった。その際には写真機によってカラー写真も撮られた。さらに科学者達も恐竜などの調査の際に大量のカラー写真を撮影した。これらの写真の多くはいまも()()()()の博物館に大量に保管されている。(代表作:巨神の行進など


そうして一週間ほどした時、班の一つがあるものを発見したというのだ。その班は南に2日ほど歩いた末にボコボコとした丘陵地帯で発見した。しかし彼らはどこか浮かない顔をしていた。

まず一つ目は大量のは黄鉄鉱、ボーキサイト、そして銅などの鉱脈であった。いずれも地面に露出しており、その埋蔵量は計り知れないほどであったらしい。


二つ目はその近くの森で大規模な自然湧出の石油であった。しかも森の中には、かなりの数の自然湧出の石油が存在していた。本国では人造石油の開発に邁進していたが、人造石油で精製できるガソリンは低品位だった。

ここの石油を使用できれば、人造石油なんていう紛い物を使用する必要性がなくなる。

彼らは皆喜んだ。

「今は無理でも今後拠点を作り、採掘に必要な人数や機材をそろえられれば、利用できる可能性も出てくる。」

そう思うだけでみんな大喜びであった。しかし問題はここからであった。


3つ目が資源地帯から歩くこと2時間ほどの場所でUボートの乗員であるものと見られる大量の白骨遺体であった。自分達では持っていくことは困難なほどの量であり、やむなく置いてきたとのこと。遺骨は石油を見つけた先の背丈の高い草むらが大量に生えている場所で見つかったそうだ。


探検隊は急いで準備をするとその遺体達を回収しに向かった。科学者達は拠点に留まり、それを数人の探検隊が残り拠点を防衛した。探検隊は北部班の案内を受けながら急いで北を目指した。彼らの話ではその遺体は何かに襲われて亡くなったように見えたとの証言から厳戒態勢でその場所を目指した。草食の生き物ばかりの土地などという幻想はこの時点で完全に消え去っていた。


そして遂に目的の場所へ到着した。

確かにそこには背の高い草むらが広がっていた。高さは胸の高さほどであった。遺骨が見つかったのは到着してからすぐの事であった。遺骨達の近くにはgew98やルガー拳銃が転がっていた。ライフルの弾は装填されており、拳銃は全ての弾を撃ち尽くしていた。


遺骨自体は重いので近くの開けた場所に埋め、認識票を回収した。一部認識票がないものがおり、これが船長の言っていたイギリス人であるとわかり、スコットランドに流れ着いた手記は史実であったことが確認された。


こうして認識票を回収し拠点へ帰還している時であった。突然最後尾の人間が消えた。さらにまた1人また1人と消えていき、4人目が断末魔を挙げたことで全員がやっと気づいた。Uボートの乗員を殺したヤツが自分達を襲っていることに。探検隊は遺骨に出会い、その処理で精神がやられていたためにこれで完全パニック状態となった。襲われた者は後ろや側面から突然鳴き声がしたと振り向くと飛びかかられ、頭からかじられることになった。

探検隊はリッチャーに率いられた数人を除きほぼ全滅した。ライフルで立ち向かった者もいたようだが、その大半は撃つ前に襲われ、撃っても何故か弾丸が弾かれその現象に驚きながら当人は食われることとなった。

リッチャー達はなんとか彼らの縄張り外まで逃げ果せることが出来たのであった。


この時襲ってきたのはラプトルと呼ばれる恐竜であった。体高2m体長3~5m体重150キロほどの肉食恐竜である。武器は鋭い歯と両手両足にあるナイフのような爪である。さらにオオカミのように4〜5頭ほどの群れで狩りを行う。名前の由来は10年ほど前に化石として出てきたヴェロキラプトルの名前を省略したものが兵士やその家族に定着したものである。当時はラプトルはヴェロキラプトル同一種と見なされており、この名前が定着した。後にドイツ国防軍では“チームワークによる力の象徴“としてシンボルマーク、エンブレムなどにその姿が登場することとなる。


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