ザ・パワーのムース
「全く。先に始めるなんてありえないわよー。えーと確か」
拠点の入り口からゆっくりとカウが歩いてくる。カウはいつもの薄着とは違い完全武装の状態で現れた。
「お、お前、カウか?」
「そうだけど?私がやるからいいって言ったのに。まぁ邪魔にならないようにどいてなさいな。この程度の小物2人なら私1人で充分よ」
完全武装のカウが言うと兄貴分の男が
「ほう。言ってくれんじゃねぇか姉ちゃん。俺をアクトスターズのNo.3 ザ・パワーのムース様としって言っているのか?」
「アクトスターズ?ああ。あの弱いものいじめが集まったパーティーのアクトスターズね。通りでこいつのことを狙ってばかりだと思ったわ。どうせこいつを殺したら誰かにちゃんとしたパーティーに入れてもらえるからとかで依頼を受けたんでしょ?」
はぁーとわざとため息を吐きながらカウは言うとムースと名乗った兄貴分の男は急に腕がデカくなって
「捻りつぶす!」
完全武装のカウに殴りかかる。
「でたー!兄貴のスキル!ザ・パワー!兄貴の腕の力!そして足の力を3倍にまで上げるスキル!そしてこれに呼応して腕や足もデカくなる!これで殴られて今まで無事だったやつは」
ムースはカウを殴ってそのまま動かない。
「兄貴?どうしたんですか?なぜ動かないんですか?」
「・・・」
ムースは動かずカウは
「そりゃこの男気絶してるんだよ。私を殴った腕見てみなよ」
カウは俺とムースと一緒にいた子分に言うとカウの殴られた防具を見るとムースの腕は血だらけだった。
「あ、兄貴!なんで腕に血が!」
「私のスキルは武器、防具の改造。私の防具で今殴られた部分の先だけ棘に変えた。これでこの男はこのでかい腕に無数の棘が刺さったことになるわね」
カウが殴られた防具はその時何故か砕け散って地面に落ちる。
「あいうちか?」
「そうね。私のこのスキルの代償は武器改造で武器に変化を与えることはできるんだけどその代わりに一発で砕け散るの。どんな変化をくわえようが私がいじればね」
そう言ってカウが装備していた防具はボロボロと砕けて地面に落ちていく。
「よくも!よくもよくも!兄貴の仇!」
「ま、て。俺は死んで、ない」
ムースはカウを攻撃しようとする子分を止める。
「へー。意識を取り戻しんだ。すごいわね。あんた」
「お、ほめにあ、ずかり、こうえ、いだね。俺には、アクト、スターズには、もう、後がないん、だよ。ギユン。お前、は、逃げろ」
「な、なんでだよ兄貴!俺はまだやれるよ!だから!」
ムースは子分の体をスキルを使った腕で握りしめると拠点とは逆の方に向かって投げ飛ばす。
「あ、兄貴ー!」
子分の方はムースによって投げ飛ばされ姿が見えなくなる。
「す、まねぇな。だが、こんな片腕でもどっ、ても俺は、おそらくリーダーに、やられる。それほどもうやばい状況なんだ。だから、奴だけは逃がして、俺はここで、終わる」
ムースは俺たちの方を見て血だらけではない片腕を俺たちに向けた。




