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削りとる者

「ああ。不幸だー。アラゴ様の命令とはいえこんな弱気もの達の相手をしなきゃいけないなんて。あー僕は本当に不幸だ」


 泣いている少年は俺たちを見ながら言う。アルデルトは少年に殴りかかる。


「息子のかたきぃぃぃぃ!」


 少年はアルデルトのパンチを避けるとアルデルトに手を挙げ


「あー不幸だ。僕はこんな弱い奴を。削り取らなきゃいけないなんて」


 少年は手をあげアルデルトの体めがけてふりかぷるがアルデルトは少年の攻撃を避ける。


「おや?」

「お前さん。ばかだろ。敵に塩を送るような真似しおって」


 少年は右手で何度もアルデルトに攻撃し、アルデルトは少年の攻撃を避け続ける。


「あー!不幸不幸不幸!なんで僕の攻撃が当たらない!いつもいつもいつも!弱い奴は僕の攻撃を避ける?怖いのか?恐ろしいのか!」

「ああ。恐ろしいよ。お前さんのその右手。わしの見解だがお前さんの右手は触れたものを削り取るんだろ?だからわしの息子の手のひらも削りとった。違うか?」


 アルデルトが泣いている少年に言うと少年は


「あー!不幸不幸不幸!なんで僕のスキルはバレやすいんだ!いつもいつもいつも!なんだ?それでわかったからって僕の右手を切り落とそうとするのか?」

「切り落とすとかもったいない。そんなことはしないさ。実力でお前さんを倒す、よ!」


 アルデルトは少年の攻撃を避けた後に少年に拳を叩き込む。


「おぐぅ!」

「さぁ。息子を殺した罪。あがなってもらうぞ泣き虫の少年」

「ぼ、僕は!僕はバー・ババだ!泣き虫の少年とか言うなよ!あー不幸不幸不幸!」


 バーと名乗った少年は何度も何度も右手でアルデルトの体を抉ろうと攻撃するが何度もバーの攻撃を避ける。


「不幸不幸不幸不幸不幸不幸!僕はあの方のためにアキトとかいう奴を殺さないといけないのに!」

「は!ならわしに早くその右手をあてるんだな!ガハハハ」


 アルデルトが笑いながら言うとバーは攻撃をやめ


「もういい。お前の相手をするだけ僕は不幸になり続ける。幸せになるためなら僕はこれを使う」


 バーは一度深呼吸すると急に「こぁぁぁぁぁ!」と叫びだす。

 するとバーの背中から一本長い腕が生え


「殺してやる!殺してやるぞ!くそじじい!」

「老人に対して口がなってないな。その口。わしがただそう」


 アルデルトは構えバーも長い腕で攻撃する。


「しゃあ!」


 バーが長い腕で攻撃し、狙ったのはスクアーロだった。

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