不安定なマスギ
「か、顔を隠すもの?なんでそんなのが必要なんだ?」
俺はマスギに聞くとマスギは
「だ、だって私、そ、そんな人様に向けるような可愛い顔してないから。私なんて兜か仮面かマスクをかぶってないと皆さんに失礼なんです!さっきは戦闘中で気を抜いたら死ぬかもしれなかったのでそこまで気がいけませんでしたが」
マスギは顔を手で隠しながら言う。俺はマスギの手を握って
「大丈夫。お前は可愛い顔をしている。兜や仮面、マスクなんかしていなくてもな」
「そ、そんな。嘘はやめてください!今は早くかえって今後のことを考えるべきなんです!私なんかを口説いている場合じゃありません!」
いやいや別に口説いてないしそれにそんなこと言うくらいなら顔を隠すやつなんか探さずに早く帰ろうよ。
俺がそう思っているとマスギは何故か急に俺からも距離をとって
「どうした?なんで俺から離れるんだ?」
俺が近づこうとするとマスギは
「ち、近づかないでください!なんでかわからないんですけどまたアキト。あなたに触れられてしまうと、私、私」
触れられるとなんだ?何かあるのか?もしかして俺の手なんかなってんのか?
俺は自分の手のひらを見るが変化は何もない。俺はマスギに近づくがマスギは何度も何度も離れて
「おい!こんなことしてたら余計に時間がかかるじゃないか!早く帰ろうぜ!」
「わ、わかりました!帰るから帰るから!だからとりあえず近寄らないでください!よくわからないんですけど何故かあなたをみてると無性に顔が赤くなるんですー!む、胸も熱く」
「・・・恋したの?」
俺は冗談まじりに言うとマスギが凄い勢いで近づいた後一瞬で俺に固定のスキルをかけて
「私が行った後から来てくださいー!距離を空けたら固定を解きますからー!」
「な、何言って。はやくといてくれー!」
俺の叫びも虚しくマスギはそのまま走り去っていきマスギのスキルが解除されたのはその場に固定されて数十分後だった。固定されている間魔物に襲われたらどうしようと肝を冷やしたが襲われずに済んで幸運だった。
俺は固定されていた場所から動けるようになると人目を避けてアラマスの拠点に向かったが拠点に向かう途中、勇者パーティーの一員、剣使いのメイグに見つかる。メイグは俺を見つけると剣を抜いて俺に向けてくる。
「アキト。少し拙者に付き合え」
俺は剣を向けられながら人気のないところにメイグにつれていかれた。