アキトのスキル
「ば、ばかな!お前のスキルは3秒間の固定のはず!なぜ3秒経っても動けない」
アクはマスギに向かって叫ぶとマスギは
「私のスキルは、彼によって進化したんです。そう。アキトのスキルで」
は?俺のスキルでマスギのスキルが強くなった?確かに俺は本当の意味でスキルを使ってみた。いつもはパーティーで荷物持ちでいたときアルゴーは「お前は全体的にスキルを使うだけでいい。決して戦闘には参加するな!わかったか!」と怒鳴り散らすからだ。だから今初めて個人に対し俺のスキルを使ってみた。それがまさかスキルの進化?それは強すぎだろ。
「今彼が私をスキル対象に選択した瞬間、私の頭にこう、情報が流れてきたんです。あなたのスキルは3秒の固定からあなたの意思により解除するまでの固定となりました、と」
「ばかな!自分の意思で解除までできる固定だと!なら僕は」
「そうね。私の意思の続く限り一生あなたはこの場に固定されることになる。かわいそかわいそな男になるね」
マスギはアクに言うとアクはなんとか動こうとするがその場にしっかり固定され身動きは取れずにいた。
「くそ!近づくんじゃね!お前のスキルはあくまでその場所に固定するだけ。幸いではまだ動くなら。ふぉぉぉ」
アクはナイフを使って手を動かせる範囲で暴れまわるが「はぁ」とため息をついてマスギは
「どうやらあなたは馬鹿みたいですね。そんなことをすれば」
「ど、わぁぁぁ!」
マスギが何かを言いきるまえにアクはバランスを崩し、手も地面につき地面に手で踏ん張ろうとしたために持っていたナイフを落とす。
「ぁぁ!」
「・・・本当に馬鹿だな。更に固定だ」
マスギはアクにまた触れるとアクは四つん這いの状態で動けなくなる。
「く、ぉぉこの、体勢は、きつ、い」
「だろうね。だから今楽にしてあげます」
マスギはアクが落としたナイフを拾うとアクに切先を向ける。するとアクが
「な、なぁ。考え直さないか?ぼ、僕は頼まれただけなんだ。これを解除してくれたら僕は君たちの仲間になってもいい。だから、ぼ、僕を殺すのはやめないか?」
「命乞い、ね。じゃまずはスキルを教えてもらおうか。仲間にするにしたってスキルを教えてもらわないと話にならないから」
「ぼ、僕のスキルを教えれば殺すのはやめるのか?」
「それはわからないわ。ただ仲間にするならスキルは知っておかないと。殺すか殺さないかはあなた次第よ」
ナイフを向けながら怯えるアクに対しマスギは言った。