1話
「とまあ、これが俺の死因です」
「ろくでもないですね。ここまで偶然が重なった阿呆らしい死因は初めて聞きましたよ」
「すいません。悪気はなかったんです」
地球の友人・カイトが異世界転生どうたらみたいな話を良くしていたのでこの状況は意外とすぐに理解できた。俺が転生者で、この人が転生管理者の女神ってとこだ。
「まあ規定に則って貴方には転生の権利を与えます。ということでこれを」
「これ…くじ引きの箱ですか?」
「はい、転移先はこの中の紙に書いてある世界に行ってもらいます」
世界の数も捌ききれない程あるのだろうか。しかしこの次元では生きた感じもないし常識なんて物も無いのだろう。
「これは……何語ですか?」
「ガイラス大陸…全ての国が地続きの世界ですね。それでは転生のお時間です」
「そうだ、スキル的なものはあるんですか?」
「欲しいのですか?」
「もしかしてそのまま転生させるつもりでしたか?」
「…まあ適当に付けておきましたよ。それでは」
「おい待て!もう少し説明を」
その時急に俺の意識は飛んだ。死んでから随分振り回されてる気がする……
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「おぉ…広い草原に…いい目覚めだ」
などと抜かしている場合でもなさそうだ。
とりあえず今の状況を整理しよう。
「あー、あーー」
声は何も変わってない。身体的にも生前を引き継いだように完璧だ。というかこれは異世界「転移」ではないか?
服も死んだ瞬間の体操着を着用中。ここの常識はまだ知らないがイレギュラーもいいとこであろう。
とりあえず人が集まった地域くらいはあるだろうから、そこに行けばどうにかなるだろう。
ふと、遠くに複数の人影を見つけた。
「第一異世界人、さて会話になるだろうか」
言語の壁は高いだろうが、自分が知っている言葉とジェスチャーで人の住処ぐらいは聞き出して見せよう。
彼らに近づく。
四人組で、少し怖い印象を受けるが、やばかったら逃げれば良いのだ。
「どうも、少しいいですか」
「……」
くっ…日本語は厳しいか?
「…誰だコイツ」
「…俺は知らねえぞこんなガキ」
「…俺が相手するよ」
相手にしてもらえているわけではないが日本語は通じている模様。
「あなたたちはどこからきたのでしょうか?」
「…ここより北にある、メリス郊外からだ」
「ありがとうございます」
北に進めばメリスという、国であろう地域に着くということがわかった。
四人組の男が去っていった。
俺も行くか。
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