序章
空は青く、太陽は眩しい。
俺は黒……
「おいっ!!」
「なんだよ、うるさいな…」
「何外見ながら気持ち悪い顔してるんだ!あと1分で体育が始まるぞ!」
「面倒だなぁ…」
さっきからうるさいこいつは鈴木カイト…いつからか急に声をかけられるようになった、高校唯一の俺の話し相手みたいなヤツだ。
変にひねくれている俺にとっては煩わしいとしか思えない…とは言い切れないってとこだ。我ながら面倒くさい。
「オレにボールを渡すのだ!」
「ほいっ」
今日の体育はサッカーだった。他のスポーツと比べてサボれるタイミングが多めで楽だ。
俺はキーパー。面倒ごとは全部押し付けてやった。
「おいっ!キーパー任せたぞ!」
「うえ、敵がきたか……」
目の前には敵のフォワード一人と味方ディフェンダーが一人、まもなくシュートが飛んでくる。
「喰らいやがれぇ!」
さすがはエース、覇気も弾道も段違いだ
「せりゃっ!」
「ナイスセーブ…って飛ばしすぎだろ!」
俺のパンチングセーブが学校のネットを超えてしまった。
「すいません!すぐ取ってきます!」
流石に飛ばしすぎたか……どこに落ちたんだ?
道路脇の側溝も覗いてみるが一向に見つからない。
「ぐおぉ…背中いてぇ…」
少し人間離れした体勢で側溝を覗き込む。
…?後ろから…車の音だと!?
この辺は車が滅多に通らないから油断してた!!
「出、出なくては…痛ッ!!」
最後に覚えている感覚は、ゴムと地面に擦り付けられた感覚だった。




