世界の終わらせ方(検証)
やっぱ打ち切り展開もダメか…。
階段に叩きつけられながら考える。
もはや階段落ちのエキスパートだ。
身体能力のお陰でたいした怪我にはならないが毎回気絶する程度には痛い。
俺は「自作エタざまぁ小説」転生した。
気づいた瞬間あまりの事に身悶えた末
この世界を直視しなくて済むよう動いた。
ーー夢なら覚めろと入水してループ。
ーー国外逃亡を謀るもループ。
ーー引きこもるもループ。
全て階段転落スタートでループしている。
元凶はあの厳かな美形であることは明白だ。
毎回突然現れ、文句を付けて消える。
俺は奴等を「ミザリー」と呼ぶことにした。
奴等の気に入らない展開になると階段落ち。
何度もこの瞬間に戻されるらしい。
開始直後の離脱は全てボツを食らった。
ミザリーのダメ出しを纏めると要求はこうだ。
◎長編、せめて6万字以上は欲しい。
◎あくまでも「ざまぁ小説」の体裁で。
◎ちゃんと各キャラクターに見せ場を作れ。
◎それっぽい伏線を回収し綺麗に完結しろ。
どうあっても向き合わねばならないらしい。
思い出すとちょいちょい胸が締め付けられる黒歴史の世界を紐解かねばこの生き地獄から解放されない。
唸りながらも何とかあらすじを思い出す。
まず主人公はこの国の第1王子。
平凡顔で地味なため人望がなく、イケメンハイスペックの第2王子(俺)と比べられる日陰者。
↓
第2王子に王位を次がせたい王によって
主人公は不毛の辺境の地へと追放される。
しかし実は優秀だった第1王子。
↓
正ヒロインの通いの城付きメイドとサブヒロイン護衛美人剣士との甘酸っぱいやり取りを交えながら陰謀と刺客を掻い潜り、なんやかんやあって国民の支持を得てゆく…(未完)
骨組みはどこかで見たような追放系
王道だろう。全て裏で「柔和な人物を演じる暗黒微笑第2王子(俺)」が手を引いている設定だ。
後なんか断片的だが…
追放すると王国の防護魔法が切れる…
事務仕事が滞る…
紋章と聖霊の加護…
オッドアイに変化する瞳…
と設定もりもりモーニングセットだ。
皿から溢れている。
書いてた時はノリノリだったが
今は心を無の状態にしないと耐えられない
厄介なのは無の境地でこのストーリーをそのままなぞっても「未完」でまたループするだろうという点だ。
………ツラい。
ー
ーーー求められているのは「リメイク完結」
ーーー地獄の改編作業を強制されている。




