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事の始まり(階段落ち)

その時俺は階段から落ちた。


何をしていたのか…


頭痛がひどく気分が悪かったがそんなヘマをするタイプではなかった筈だ。

常に完璧に生きてきた。

女の小さな悲鳴が聞こえる。


これは死ぬかもしれない。


いや、そんな筈はない。

だって話はまだ全然序盤も序盤の導入部分だ。


じゃあ死なないか。

いやいや話って…序盤ってなんだよ…導入……?


脳裏をよぎるのは覚えのない記憶の走馬灯…



「…あ、これ書いたことある。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は何だかモヤモヤした空間に立っていた。


目の前には二人の美形。


神様だか精霊だかなんかそんなもんな感じのジェンダーレスな雰囲気を出す厳かな美形だ。


一人はハサミ、一人は縫い針を抱えている

よく分からないが非日常感がすごい。


今から何が起こっても納得させられるだけの雰囲気がある。今後の参考にしよう。



「「…せーの!ご都合主義の世界へようこそ!」」



ご都合主義?


「モヤモヤしてるんです」

「結末がないんです」



「え?ええ?何?」


ギュルンとこちらを向く美形は声まで美しい。

聞き惚れるあまり反応が遅れる。



「「だって!エタってるから !!」」



完璧なユニゾンに脳がしびれる感覚が走った。

身体から力が抜ける。



「情熱が無くなったかな?」

「燃え尽きちゃったかな?」



ここどこ?こいつら誰?

俺は何を求められてるの?




「「どうぞ先生!仕事場は此方です…」」






きゃははははっははははは




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「お目覚めですか!」


目を開けるとメイド服が視界に写った。

女子に膝枕をされている。



「まだ起き上がらないでください。今医者を呼びます。…そこのあなた水をもって来て。」


「…君は…」

「あっ…アシュレイです!あの…無事でよかった…。」


まるで花がほころぶような笑顔ーーー


ヒロインである。知ってる。

昔々に俺が作った。


清楚で純真で芯が強い設定。

当時の男子の憧れ100%の理想のヒロインだ。


これは悪役の王子がヒロインに介抱されたのを切っ掛けに横恋慕するエピソードなんだよなぁ。


王子俺だけど。



そう、全部覚えてる。


全部思い出してしまった。

ここは俺の処女作にし未完でエタった黒歴史。



「夢と魔法の超大作ざまぁ小説」の世界だ。


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