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幼馴染みと大陸横断鉄道~トキオ国への道~  作者: ルト
第7章 開拓地横断旅行
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第92話 ダイナマイト

 突然の爆発音が何なのか、オレとライラ、長老とティオはナヴィ族の村へと戻ってきた。


「おい、さっきの爆発音は一体なんだ!?」


 ティオが村の中にいたナヴィ族に向かって、問う。

 ナヴィ族は全員が、シャイアンの方角を見ていた。


「分からないんだ!」

「突然の爆発で、一体何が何なのかまるで分からない!!」

「こっちが知りたいよ! 爆発なんて何が起きているんだ!?」


 ナヴィ族は突然の爆発に、戸惑っていた。


「ライラ、何か臭う?」


 オレがライラに問うと、ライラは頷いた。


「うん、風に乗って、臭いが流れてきたみたい。火薬の匂いがするわ。それも弾丸とかそういう量じゃない。もっとたくさんの量の火薬が、燃えた臭い。それに、なんだかこっちに近づいてくる、男たちの臭いもするわ」

「まさか……!?」


 もしかして、強盗団だろうか?

 オレは嫌な予感がした。


 強盗……ダイナマイト……。

 オレには心当たりがあった。

 まさか!?


 そしてその予感は、当たった。


「たっ、大変だ!!」


 シャイアンの方角から、ナヴィ族の若者が数人、駆けてきた。

 息を切らしながら広場へと駆け込み、若者は叫んだ。


「食料強盗の、パブロ一家だ!」

「な、なんだって!?」


 オレは懐に手を入れ、その中から何枚かの手配書を取り出した。

 そしてそこから、1枚の手配書で目を止めた。


「こいつらだ……!」


 取り出した手配書には、複数の男たちの人相が描かれていた。




 パブロ一家とは、食料強盗として開拓地の各地を荒らしまわっている強盗団だ。

 おカネを奪っていくだけでなく、食料まで奪って行くことで有名で、開拓地ではかなり恐れられている。

 さらに強盗団としての規模も大きいため、1人につき大金貨5枚という多額の賞金が課せられている。


 正直、あまり出会いたくなかった相手だ。

 強力な武器も持っている上に、奴らを印象づける武器として、ダイナマイトがある。全員が1本ずつ、さらに使用している馬車にも大量のダイナマイトを隠し持っているという噂だ。

 もしもそのダイナマイトが、ナヴィ族に対して牙を剝いたりしたら、取り返しのつかない結果を招くかもしれない。


 ダイナマイトの破壊力は、スパナの手製ダイナマイトで、よく知っている。

 大きな岩だって、木端微塵にしてしまう威力を持っているんだ。ナヴィ族を皆殺しにしてしまうことなど、朝飯前といえるだろう。

 だが、そんなことは絶対にさせない!


「ビートくん、この男たちが、パブロ一家なの?」


 ライラがオレの横から、手配書を覗き込んだ。


「あぁ、食料強盗のパブロ一家。金目のものだけじゃなく、持っている食料まで根こそぎ奪っていく奴らだ。人殺しだってやるし、開拓地で最も恐れられていると云っても、過言じゃない」

「ねぇ、どうして食料を奪ったりするの?」


 ライラが、不思議そうな顔をして訊いてくる。


「おカネとかアクセサリーとか、価値のあるものなら分かるよ。でも、食料なんて奪ってどうするの? 自分たちが食べるために奪うの?」

「いいや、自分たちで食べるためじゃない。売っておカネに替えられるから、食料を奪うんだ」


 オレが云うと、ナヴィ族の悲しそうな視線が、いくらか向けられた。

 もしかしたら、ナヴィ族は過去に何度か、パブロ一家の襲撃を受けたことがあるのかもしれない。


「開拓地では、いつも食料が安定して手に入るとは限らないこともある。そして水が貴重な地域では、そこに水も加わるんだ。水と食料。人族も獣人族も、生きていく上で絶対に必要なもの。さらに開拓地では、必要であると同時に不足しやすいものでもあるんだ。だから、食料に高い値段がつくこともある。そうなると、強盗して食料を奪って、それを高値で売り払っておカネに替える。パブロ一家は奪った食料を売りさばいて、大金貨何百枚という莫大な収益を得ているらしいんだ」

「ビートくん、それってひどすぎない!?」


 ライラの言葉に、オレも頷いた。

 時には赤ちゃんに必要なミルクでさえ奪い、おカネに替えたことがあると聞いている。本当かどうかは分からないが、パブロ一家ならやりかねないとオレは考えた。


「あぁ、ひどいさ。これまで見てきた強盗の中でも、最も狡猾で極悪な連中だ。パブロ一家のおかげで、飢えで全滅した村もあると聞いた。開拓地でなら、全滅することだってあり得なくはない。所によっては命と同じかそれ以上に大切な食料を奪うなんて、許されることじゃない」

「許せないよ! そんなことするなんて!!」


 ライラが、尻尾をピンと立てた。


「人の食べ物を奪っておいて、それで自分たちの飢えを満たすんじゃなくて、売り払っておカネにするなんて!! それにしても、どうしてこっちに向かってくるのかしら……?」

「……マズい!!」


 ライラの言葉で、オレの頭の中に電撃が走った。

 そうか、パブロ一家がここにやってきた理由。それは単純なことだったんだ!


「パブロ一家の狙いは、ナヴィ族の畑だ!!」


 オレが叫んだその時、何台もの馬車と馬に乗った男たちが、ナヴィ族の村に乱入してきた。

 数回の銃声が轟き、ナヴィ族が逃げ惑う。


「おう、邪魔するぜえ!」


 邪魔するなら、帰ってくれ!!

 オレはそう叫びたくなったが、できなかった。


 乱入してきたパブロ一家は、右手に銃を持って、左手にダイナマイトを持っていた。

 さらにほぼ全員が、葉巻かタバコをくわえている。

 いつだってその気になれば、葉巻やタバコから火を移して、ダイナマイトに火をつけることができる。もしもダイナマイトに火がついてしまったら、それがどんな結果を招くかなんて、考えなくても分かる。


「俺の名はパパ・パブロだ!!」


 葉巻をくわえた髭面の男が、叫んだ。




 現れたパブロ一家は、ナヴィ族に銃を向けた。


「ここにある食料を、全て持ってこい!!」

「逆らう奴は、弾丸の餌食になってもらうし、ダイナマイトで村も畑も全て吹き飛ばす!!」


 恐れおののくナヴィ族に混じって、オレはパブロ一家の人数を数えていた。

 人族の男が4人に、獣人族の男が6人だ。うち獣人族の男は、馬車に乗っている。馬車の中にも、何人か隠れているかもしれない。さらに全員が、ダイナマイトを手にしている。きっと馬車にも、何本か積んであるはずだ。それも数本程度じゃない。何十本という数が、積まれている。


「そんな! それだけはやめてくれ!!」


 長老が、パパ・パブロの前に出た。


「食料が無くなったら、我々は飢えてしまう! どれだけの人が苦しむか、考えておくれ」

「おぉ、それは大変だな」


 他人事のように、パパ・パブロは云った。


「そんなに食料を引き渡すのが嫌か? そうか、そうか」


 パパ・パブロは頷くと、馬に乗った人族の男に視線を向けた。

 人族の男は頷くと、ダイナマイトに火をつけた。


「な、なにを……!?」


 長老が問うと、人族の男はニヤリと笑って、ダイナマイトを放り投げる。

 ダイナマイトは村の隅にあったテントに向かって飛んでいき、煙突からテントの中に落ちていった。


 ドカン!!


 テントの中でダイナマイトが爆発し、テントは粉々に吹き飛んだ。

 ナヴィ族の男女が悲鳴を上げて、慌てふためく。オレとライラも、間近でダイナマイトが爆発したことに驚き、思わず耳を塞いだ。この爆音を耳にしたのは、久しぶりだ。


「どうだ!? これでこいつがただの脅しなんかじゃねぇって、分かっただろ!?」


 男が、新たに取り出したダイナマイトをちらつかせる。

 ダイナマイトがまだあることに、ナヴィ族の男女の顔から、血の気が引いていった。


「さっさと食料を全て用意しろ! さもないと今度は、お前たちの中に投げ込むぞ!!」


 脅しではないことを悟ったナヴィ族の男女は、すぐに動き出した。

 各テントから食料を運び出して、次から次へとパパ・パブロの前に置いていく。トウモロコシなどの主食になる作物だけでなく、瓶詰や缶詰まで、持ち出していた。

 次々に集まってくる食料を目の当たりにして、パパ・パブロはニヤニヤしている。


 くっそう、ムカつく。

 あの髭面前面に、ホットソースをべったりと塗り付けてやりたいぜ!


 なんとかして、パブロ一家の蛮行を止める方法は、ないものだろうか!?


 オレは頭を抱えていたが、ある作戦を思いついた。

 少し危険だが、これならパブロ一家の蛮行を止めることができるかもしれない。

 それも、永遠に……!


 だが、これにはライラの協力が必要不可欠だ。


「ライラ!」

「どうしたの!?」

「ちょっと、こっちへ……」


 オレはライラの手を取り、ナヴィ族の男女の間に混じった。

 食料を運びに行くフリをして、オレたちはテントに入り、パブロ一家の視界から姿を消した。


「ビートくん、どうしたの?」

「実はね……」


 オレはライラの耳元で、思いついた作戦の内容を話した。

 全てを話し終えると、ライラは笑顔で頷いた。


「ビートくん、やろうよ!!」

「ライラ、大丈夫そう?」

「もちろん! ビートくんとなら、絶対に大丈夫だから!」


 相変わらず、いつものライラだ。

 オレは笑みを浮かべて、頷いた。これが無事に終わったら、また『なでなでとふがふがのフルコース』をプレゼントしなくちゃな。


「よし、作戦開始だ!」

「うん!」


 オレはライラと共に、テントから外に出た。

 そしてオレとライラは分かれ、ライラはパパ・パブロの元へ。

 オレはナヴィ族の村の外側へと向かった。




 わたしは、パパ・パブロの前に立ちました。


「なんだぁ? この獣人族の女は?」


 パパ・パブロがわたしをみて、鋭い眼光で睨みつけてきます。

 葉巻を吸う人特有の臭いと、何日もお風呂に入っていない男の臭いに、わたしは不快感を覚えます。どうして男の人の体臭って、こんなに臭うものなのでしょうか?

 ビートくんの匂いだけは、いつまでも嗅いでいたいと思えますが……。


「ねぇ、食料じゃなくて、わたしじゃダメ?」

「女に用は無い! さっさと食料を持ってこい! 俺たちの目当ては食料だ。女じゃねぇ!」


 パパ・パブロはそう云いましたが、他の男たちは違うみたいです。

 わたしを見て、血走った目をしていました。

 これまで色んな男性から見られてきたから、分かります。


 そしてわたしは、再び口を開きました。


「わたし、銀狼族の女よ?」

「知ったことか。それよりもさっさと――」

「なっ、なんだって!?」


 パパ・パブロは相変わらずでしたが、1人の男が声を上げました。

 やっぱり、この一言は興味を引くのに効果的でした。


「おい、獣人族の女! 銀狼族というのは本当か!?」

「そうよ? この美しい白銀の髪の毛と、狼耳がその証拠!」

「……よし、分かった!」


 男はそう云いますと、パパ・パブロに話しかけました。


「ボス! あの女を食料の代わりにいただきましょう!」

「ふざけるな! お前、自分の云っていることが分かっているのか!?」

「あの女は、銀狼族ですよ!? 娼館か金持ち相手に売れば、食料をどれだけ集めても稼げないほどの大金が入ることだって、あり得るんですよ!?」

「そんなに需要があるのか? 銀狼族というものは?」


 男とパパ・パブロが、わたしのことで話し合っています。

 どうせわたしを手に入れることなど、できるわけがないというのに。

 捕らぬ狸の皮算用をしているのは、ちょっと面白いです。


 わたしはそのやり取りを聞きつつ、ビートくんに目を向けました。




 上手くいったな。


 オレはライラにパブロ一家の視線が集中しているのを確認すると、動き出した。

 ソードオフを片手に、こっそりと馬車の中身を確認していく。

 仲間が乗っているかと思ったが、意外にも馬車の中にあったのは、食料と武器だけだった。そして武器の中で最も数が多いのは、ダイナマイトだった。


 どうしてこんなにダイナマイトばかり、貯蔵しているのだろう?

 ダイナマイトをここまで蓄えているのなんて、鉱山以外ではこいつらしかいないだろう。


 だが、その在庫も今日で空っぽにしてやるさ。

 全てオレが、使うのだから!


 オレはダイナマイトが入った木箱を運び出し、馬車の下に設置した。

 ダイナマイトは、導火線で火をつける以外にも、爆発させる方法がいくつかある。中身のニトログリセリンに、強い衝撃を直接与えることができれば、それはダイナマイトに火をつけたことと同じだ。


 これからオレは、パブロ一家を地獄に送り込んだとして、開拓地では名前を知らない者はいなくなるだろうな。


 そんなことを思いつつ、オレは全ての馬車の下に、ダイナマイトを設置した。

 設置が終わると、オレは見つからないようにライラの所へと向かった。




 オレが、ライラの近くまで戻ってきた時だった。


「よし、決まりだ!」


 パパ・パブロが、ライラを見て叫んだ。


「ライラと云ったな? 獣人女、お前の取引に応じよう! 食料は全ておいていく。その代わりに、お前を貰う。それでいいな!?」

「もちろん、いいわ!」


 パパ・パブロが、云ってライラが頷くと、パブロ一家の男たちは喜び回った。

 とんでもない大金が手に入るし、売り払うまでの間、銀狼族の女を好きにできる。そのことが、男たちを狂わせていた。


「ライラ……!」


 ティオが心配そうに云うが、ライラは全く心配した様子を見せてはいない。


「大丈夫よ! ビートくんが、居ますから!」

「だ、だけど……俺たちのために、食料と引き換えに自分を売り渡すなんて……!」

「ティオさん、心配してくれて、ありがとうございます。でも、もうすぐビートくんが戻ってきますから!」


 よし、そろそろオレの出番だ!

 ライラがそう云うと、オレがライラに声を掛けた。


「ライラ!」

「ビートくん!!」


 戻ってきたオレを、ライラは抱きしめる。

 もちろんこれも、作戦のうちだ。


「ビートくん、これから一緒に行こうよ!」

「おい獣人女! その男はなんだ!?」


 ライラの発言に、パブロ一家の男が、驚いて叫んだ。


「男は金にならないから要らないぞ!?」

「えー、じゃあ一緒に行くのは無し!」


 ライラが叫ぶと、パブロ一家の男たちは愕然とした。

 そりゃそうだろう。銀狼族の巨乳美少女を手に入れたと思ったら、オレという男まで自動的についてくるのだから。


「わたしはビートくんと一緒じゃないと嫌だから! 別々になるんだったら、お断り!」

「なんだとぉ……!?」


 パパ・パブロが、ライラに銃口を向けた。

 ナヴィ族の男女が叫び、ライラはパパ・パブロを見つめる。


「さっさと一緒に来るんだ! さもないと、そのガキもろとも撃ち殺してやる!」

「ビートくん、このおじさんこわーい!」


 ライラがそう云うと、オレはパパ・パブロを睨みつけた。


「よくもライラを怖がらせたな!」

「るせえ! 三文芝居はもう十分だ!!」


 パパ・パブロは叫び、リボルバーのハンマーを下ろした。


「このアマ! ぶっ殺してやる!」


 ダァン!!

 銃声が轟いた。




「……くっ!」


 パパ・パブロが、腕を抑えた。

 リボルバーを握っていた右手から、リボルバーが消えている。


 ガチャン。

 近くに、リボルバーが落下した。


「こ……このガキ、なんて速さだ!」


 リボルバーを撃ったのは、オレだった。

 警戒したパブロ一家の男たちが、一斉に銃を取り出した。


 だが、発砲なんかさせるかっ!


「ライラ!」

「いいよ、ビートくん!!」


 ライラが叫んで、オレの背後に移動すると、オレは連続してリボルバーを撃った。


 ダァン!

 ダァン!!

 ダァン!!!


 そしてその直後。


 ドガーン!

 ズボーン!!

 バッカーン!!!


 オレが放った弾丸が、ダイナマイトを入れた箱に命中し、大爆発を起こした。

 パブロ一家の男たちは、次々と爆風に巻き込まれて、地面に放り出された。その爆風から逃れられた者はおらず、男たちは身体を打ち付けられ、大やけどをして倒れていく。さらに皮肉にも、男たちが盾となったために、ナヴィ族の男女に被害は及ぼない。

 もちろん、これはオレが計算しての結果だった。パブロ一家が盾になり、ナヴィ族に被害が及ばない位置にある馬車を見極め、その馬車だけからダイナマイトを下ろしておいた。そして連鎖反応で、近くにあった馬車のダイナマイトも爆発した。結果としてオレは、残された数発の弾丸だけで、パブロ一家を地獄へ突き落した。


「ぐあああっ!!」


 そして爆風に巻き込まれたのは、パパ・パブロも例外ではなかった。

 服が焼けこげ、自慢の髭も台無しになったパパ・パブロは、死んだ馬から転げ落ちた。

 近くにあった自分の銃に手を伸ばすが、あと少し届かない。


「こ……この……パブロ一家が……負ける……など……ああっ!!」


 パパ・パブロは最後にリボルバーを掴んだが、撃てなかった。

 その前に、息絶えてしまったためだ。


「……ふぅ」


 オレはリボルバーを、ホルスターに戻した。

 そして振り返り、唖然としているナヴィ族に顔を向けた。


「お騒がせしました」


 オレが頭を下げると、辺りから拍手が沸き起こった。


「ありがとう! ビートさんにライラさん!」

「パブロ一家が、全滅するなんて!!」

「ナヴィ族の友よ、万歳!!」


 拍手と喝采を浴びていると、再び馬の足音が聞こえてきた。

 まさか、まだ残党が残っていたのだろうか!?


 警戒して、オレはリボルバーの回転式弾倉を交換する。

 もし残党なら、1人残らずあの世へ送ってやる!


 しかし現れたのは、シャイアンの保安官と保安官助手たちだった。


「先ほどの爆発音は、何だ!?」

「ご説明します!!」


 オレはリボルバーをホルスターに戻すと、保安官に駆け寄り、説明を始めた。




「そうか、君たちがあのパブロ一家をやっつけてくれたのか……」


 保安官が驚いていると、男の死体を調べていた保安官助手が口を開いた。


「保安官! 指紋と顔が一致しました。間違いなく、パブロ一家です!」

「わかった。君達は、後でシャイアンの保安官事務所に来てほしい。パブロ一家の賞金は1人につき大金貨5枚だ。10人はいるから、それだけの賞金を君たちに支払わなくてはならない」


 保安官の言葉に、オレたちは声を上げた。

 総額大金貨50枚の賞金が、オレたちのものになった!


 これでもう当分の間、おカネのことを心配しなくてもよさそうだ。

 オレたちが喜んでいると、ナヴィ族の長老がやってきた。


「我が友、ビートにライラよ! ナヴィ族を助けてくれて、ありがとう!」

「ビートにライラ、食料まで無事だったんだ! それに、パブロ一家までやっつけてくれた。こんなに嬉しいことは無いよ! 本当にありがとう!」


 ティオが目に涙を浮かべながら、オレたちにお礼を云う。


「そ……そんな、オレたちは……」

「ねぇ……」


 オレとライラは照れながら、ナヴィ族から感謝の言葉を受け続けた。




 こうしてオレたちとナヴィ族の間には、揺るぎない信頼ができあがった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

感想、誤字脱字、ご指摘、評価等お待ちしております!

次回更新は、5月4日みどりの日の21時更新予定です!

そして面白いと思いましたら、ページの下の星をクリックして、評価をしていただけますと幸いです!

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