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マッチ箱

作者: 焚レン太郎

俺は泥棒だ。俺は金目の物は盗まない。しかし人の思考を盗む。


人の思考は金を作る。


金を生み出したのも人の思考が基だ。


俺は原点を突く。物事の原点に回帰していく。


時にそれは身を滅ぼす影になり得る。


真実は恐ろしいほど鋭いからだ。


ーーーーー知りすぎるほど、人は不幸になるのかもしれない。


ハッと目が覚めると、息を呑んだ。また今日が来た。


真実は恐ろしいほど残酷だ。今日が訪れ、終わり、明日になれば、それは新しい今日となる。


そして俺は朽ちていく。やがて俺は無くなる。恐ろしいほど、明解だ。


俺は時間を確認せずに再び眠りにつこうとした。しかし出来ない。そこで身体を起こすと、部屋に得体のしれない物がある事に気が付いた。


マッチ箱だった。扉の前に鎮座したそれは、その大きさとは裏腹な存在感で俺に話しかけてきた。


「俺様を開けな」


寝床を出て、カタカタと全身を震わせながら語りかけて来るマッチ箱を手に取ると、俺は側面を押し出して、中を見ようとした。


マッチ箱が開くと、俺は突然の閃光に包まれた。感情が研ぎ澄まされ、遠い世界へと吸い込まれていった。理性はなくなり、再び現れ、そして消えた。


久しぶりに熱を浴びた俺は、滝登りするが如く、閃光の中を駆け上がり始めた。


ただ加速する自分に身を任せる俺は、本当の自由を感じた。駆け抜ける速度が限界に達すると、俺はマッチ箱を閉じた。


閉じると同時に目を閉じると、過去の世界が見えてきた。これは俺が今脳に書き込んでいる偽りの記憶なのか?それとも俺の記憶は本物なのか。


どちらにせよ、俺のすることは変わらない。原点に回帰していくのだ。真理を集めていくのだ。


そして俺は人の思考を盗む。


また今日も一つ。

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