7 使い魔をよぼう
しばらく休んでました。
更新が遅くなってしまいすみません。
不定期投稿になりますので、のんびり見ていただいたらと思います。
次の日、ヒロインよりも王子に会うことを憂鬱に思いつつ学園に登校した。
そして今日から授業が開始する。
「みーなさーん!おはようございます!今日から先生と勉強頑張りましょうね。」
今日もテンション高めなルシール先生の挨拶を聞きながら授業の内容に思いをはせる。
先生は元気そうでなによりだけど、午後からスタミナ切れで倒れないか心配になるよね。
「今回の授業は魔法や魔力について勉強するよ。午後からは実習だからしっかり聞いてね。」
ルシール先生の言葉に生徒たちは目を輝せた。
きっと実際に魔法を使えるようになることが嬉しいんだろう。
座学よりも楽しいしね。
「まず私たち魔力を持つ人は、必ず魔力の属性をひとつずつ持っています。火、水、土、風、木、氷、雷、そして光と闇です。それぞれの属性によって使える魔法は変わってきます。」
なるほど。
ゲームは魔法の世界という設定だったけど、こういうのはゲームに詳しく出て来なかったから学習すると面白いかも。
「そして忘れてはならないのは使い魔の存在です!」
『うおおおおお!』
生徒たちは興奮して雄叫びのような声をあげた。
この世界では自分の属性の使い魔を呼び出すことによって様々な魔法を使えることができるようになる。
逆に使い魔を呼び出すことができないと魔力を持っていたとしても宝の持ち腐れとなる。
どうして魔力を持っているというのが事前に分かるのかというと、体に星形のような印が現れるのだ。
その印の色によってその人が持つ魔力の属性が分かる。
「みなさんには午後の授業で使い魔を呼び出してもらいますからね。使い魔を呼び出すことが魔法使いとしての大事な第一歩です!使い魔はみなさんの一生のパートナーになりますから大事にお世話して下さいね。」
一度呼び出した使い魔はその人の一生のパートナーになり、変えはきかない。
呼び出した使い魔が強ければ強いほど協力な魔法が使えるし、またその逆もある。
まあ、どんな使い魔であっても一応魔法は使えるようになるから、使い魔によって魔法が使えないということはない。
成績は左右されるかもしれないけど。
「使い魔には色々な種類がいるんですよ。ドラゴンを召喚する人だっているんです!みなさんがどんな使い魔を召喚するか先生も楽しみです!」
ルシール先生の言葉に生徒たちもこれから出会う使い魔たちを想像してわくわくとした顔をしている。
自分はどんな使い魔がいいか話したりして凄い盛り上がりだ。
こういう様子は毎年のことなのか、ルシール先生は楽しそうに話す生徒たちを微笑ましそうに見ていた。
「アリシア嬢はどんな使い魔がいいという希望はないのですか?」
私がぼーっとしていると殿下に突然話しかけられてびくっとなった。
「え、ええ。どんな使い魔であっても大切に育てようと思っておりますもの。とくに希望というものは・・・」
「そうなのですね。さすがはアリシア嬢です。私も他の生徒たちのように使い魔に心踊らせいたのですが、アリシア嬢はいたって冷静の様子でしたから少し気になって。」
王子にそう言われて私はぎくりと固まった。
そりゃ、魔法が使えるようになることは私も楽しみだけど、私はこの乙女ゲームの世界を知っているから私がどんな使い魔を呼び出すかも知っているんだよね。
もちろんヒロインの使い魔も。
逆にこれから呼び出される使い魔のことを考えると頭が痛くなるくらいだ。
私はラスボスの悪役令嬢だからその使い魔も自然とそれに準じた使い魔になる。
それはヒロインにも言えたことだけどね。
私はこれからのことを考えて心の中でヒロインに合掌をしておく。
・・・他人事じゃないのは分かっているけどね。
私のちょっと憂鬱な様子に隣の王子は首をかしげている。
王子が召喚する使い魔を教えてあげたらどんな反応をするかな?
占いですよーとか言って。
いや、大事になりそうだからしないけど。
このもやもやを上手く消化できずに私はそんなことを考えていた。