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お守り

作者: maiko_maimai

中学一年生のときに書いた話にほんの少し手を加えただけなので

ご期待にそえるような作品かはわかりかねますが、

中坊の限界だと思ってくださいw


あとこの話はまだ未完成ですw

他の部分にまだ手を加えていないので。。汗

第一章

ー 双子の嫉妬 ー


僕は双子の兄だ。双子だといっても僕がしっかりしなきゃ。兄さんだから。皆はいつもそう言う。僕は小さな頃からそのプレッシャーに耐えて、皆の期待に答えられるように努力した。そうすれば皆喜んでくれるし幼かった僕が頑張ると皆感心したり褒めてくれたりした。それが僕の糧となり僕は頑張り続けた。


だけどそれは幼かった僕が頑張ったからこそ褒められたのであり、それが当たり前になると皆褒めなくなる。どんなにどんなに頑張っても中学生になれば僕だから出来て当たり前だと思い始める。さすがに僕も中学生になったのだから幼かった頃と同様に大げさに褒められても嬉しくないし恥ずかしい。だけど当たり前だと思われるのはもっと嫌だ。まるで僕が頑張ってないみたいじゃないか。だけどどんなに僕が言ったってただの謙遜だと思われて誰一人本気にしてくれない。僕の声は届かなかった。


僕は僕の与えられた役割を完璧に果たせると皆が思っている。自慢じゃないけど平均以上は出来ているつもりだ。だけどなんでも出来るわけじゃない。それを皆は分かってない。別に絵を描く才能があるわけでもないのに劇の描写を頼まれた。パソコンは普通に使えるけどみんなはそれ以上だと期待し、ホームページの作成を僕は頼まれた。これは僕が頼られているからではない。僕が断らないと思っているからだ。でも少し違う。僕は断らないのではなくて断れないのだ。期待されて嬉しいからとかじゃない。ただ今まで築き上げてしまった僕の秀才的イメージの手前断るわけにはいかないのだ。くだらない理由とあざ笑うだろう。だけどどうしようもないのだ。


僕は弟のリクと違って人に頼ることも、物事をはっきり言うことも、人を惹きつけることも出来ない。正直羨ましくてしょうがなかった。例えるなら弟は咲ききった元気いっぱいのたんぽぽだ。その周りには黄色く鮮やかな他のたんぽぽが集まっている。だが僕は1人ぽつりと生えている綿毛だ。周りには鮮やかなたんぽぽが咲いている。でもどのたんぽぽもリクに向いている。誰もこっちを見ようとしない。惨めだ。同じ時に蕾ができたのに何故あいつだけなんだ。僕には花が・・・。いや、華が無いのだ。だから誰も振り向いてくれない。誰も見ようともしない。


そんなことばかりを考える毎日で僕の中の何かが音を立てて壊れていった。もう逃げていなくなってしまいたい。


第二章

ー 少女との出会い ー


そんな後ろ向きの考えしか出来ずにいた僕は神社に向かった。この小さな町に唯一ある神社で人気は無い。人が少なくて静かな場所だ。嫌なことがあると僕はここにくる。つらい思いをすべて神様にぶつけていたのだ。神様からしたらいい迷惑だろう。だが頼る人もいない僕にはそれしかなかった。


階段を駆け上がりつつ僕はどんな愚痴を神様に吐こうか考えていた。最後の段を踏み鳥居をくぐると同時に僕の目の中にサラサラの長く美しい黒髪が飛び込んできた。僕がそれに見とれていると黒髪の少女が僕に気付き

「あっ。誰かいる。」

と小声で囁き、気持ちを落ち着かせるように大きな深呼吸をして、

「えっと、はじめまして!私ユウナっていうの。今日からこの町にお世話になります。仲良くしてね!」

と少しおどおどして恥ずかしそうだったけど言い終わってから彼女が僕に向けた可愛らしい笑顔が今でも僕の脳裏に焼きついている。その笑顔は太陽よりもまぶしく、星空よりも輝いていた。僕はこの笑顔を忘れることは出来ないのだろうと思った。数秒間ほど彼女の笑顔に見とれてしまっていた。

「どうしたの?ボーっとちゃって。おーい。」

彼女が僕の顔の前で手を振ってようやく我に返った。

「あ、よろしくお願いします・・・。」

先ほどの彼女以上におどおどしながら僕が言うとその少女ユウナはまたあの天使のような可愛らしい笑顔で、

「堅いよ!もっとおおらかに!あと敬語も使わなくて良いからね。あまり人がいないこの神社で巡り会えたのだもの!きっと何かの運命よ。これからもよろしくね。えーと・・。」

僕は彼女に名前を告げていないのに気づいて咄嗟に

「僕はリヒト。こちらこそよろしく!」

と自分でもびっくりするくらいの声の大きさで言った。僕は出来るだけ笑顔で答えた。でも僕がどんなに笑っても彼女のあの眩し過ぎる微笑にはかなわないのだろう。


こうして僕たちは友達になった。それからというものの、僕たちはあの神社で頻繁に会うようになった。以前は暗い気持ちで弱々しく駆け上がっていた階段も力強く地面をけって全速力で駆け上がっていた。僕にとってユウナはとても大切な友達で、僕のことをちゃんと一人の人間として接してくれる。彼女はちゃんと僕が出来る範囲のことを頼んでくれた。クラスの奴らとは違いちゃんと頼ってくれた。ユウナに出会って、いつ死んでもいいと思っていた僕が始めて生きてみたいと思えたのだ。


だから・・・。だから余計彼女の突然の死は僕には耐え難い現実だった。


第三章

ー ユウナが死んだ前日 ー


あの日の僕はいつも以上にイライラしてた。

「何なんだよみんなして僕に押し付けて!いつもの事だけど今日のは多すぎだ!先生やクラスメイトは勿論、友達、先輩、後輩、隣のクラスのやつらに生徒会。。!!はぁ!?いくら僕でも怒りそうになったよ!生徒会の雑用とか僕に頼むな!てか、隣のクラスの人の仕事とか知らないし!僕のメリットある!?まぁ、断れないこのめんどくさい僕のプライドのせいですけどね・・・。」

今までにないほどのイラつきようだった。

「一番むかつくのはあいつだ。」

その時僕の脳裏にあいつの声がリプレイされた。

『お兄ちゃん、宿題手伝ってくれる?』

「むかつく!僕にないものを持っていながら僕の手を借りようとするな!勉強なんてやれば出来る子が大半だ。てか中学生の宿題なんてネットで少し調べれば分かることじゃないか。なんで僕の手を煩わせようとするの?嫌がらせがなにかなのか?僕はどうすることも出来ないのに?ネットで調べれば出てくるかな?『頼み事を断る方法』。『プライドの壊し方』。見つかってもろくな事書いてないよ。何かの解決になるわけが無い。ああいうのを書いて善人ぶってる人間が一番嫌いだね。そういう奴らに限って僕達のこと何も分かってないんだ。」

グチグチ言いながら僕は思い足をあげ神社の階段を上った。一段一段踏む度に近づく神社の鳥居。あの向こうにユウナがいて、ユウナとの時間だけが僕が僕でいられる時間。そう思うだけで重い足取りがどんどん軽くなっていった。最後の十段辺りではもう走ってたと思う。鳥居をくぐると同時に見えるユウナの笑顔。僕はユウナが満面の笑みを送ってくれるならば他は何もいらないと思っていた。この笑顔が崩れるならば何が何でも治してみせる。それほどユウナは大切な存在なんだ。暗闇から僕を救ってくれた救世主なのだから。

「リヒトくん!今日は遅かったね。また、頼み事?」

「うん。ごめんね。僕も早くここに来たかったんだけど今日はいつもより量が多くて。」

「ちょっと日が暮れちゃってるねぇ。今日はいつもよりあんまり遊べないなぁ・・・。」

ユウナがじーっとこっちを見ていた。

「ごめんって!!」僕は両手を合わせて必死に謝った。

「ふふっ。別にいいよ。ゆっくりお話するってのもたまにはいいかもね。リヒトくん汗だくで遊ぶ体力なさそうだし。」

ユウナは笑いながら言って僕は自分の汗の量に気がついた。走ってくるんじゃなかったと少し後悔したが確かにユウナとじっくり話すのも悪くないなと思った。

僕達は階段の一番上の段に座りこんだ。

「わぁ!夕日が綺麗!!」

ユウナが目をキラキラさせて見ていたその景色にはいまにも沈んでしまいそうな夕日を背に僕達の住む小さな街が見えた。僕にはそれがユウナの言うほど美しい景色には見えなかった。確かに綺麗だったけれどもあそこまで目をキラキラさせて見るほどのものだろうか。その時僕はユウナだから特別に見れるんだと思った。ユウナはこの街に来てまだ長くないし、この時間はいつも神社の奥の方で遊んでいるからこんな景色見たことないんだと思った。僕はユウナに会う前に散々みてきたからきっと何も感じないのだろう。そんな風に思っていた。

その時ふとユウナに聞いてみたいことを思い出した。ユウナからしたらとてもおかしな質問だっただろう。でもどうしてもユウナの意見を聞いてみたかったんだ。

「ユウナ。」

「なーに?」

笑顔で答えてくれるユウナ。

「もし・・・。もしもユウナが・・。その・・・。

た、たんぽぽだったら!」

(焦って『おかしな質問』どころではなくなってしまった。何なんだこの質問は。中学生にもなってもし自分が花だったらって。しかもたんぽぽ雑草だし!もし雑草だったらって女の子にとって最悪の質問をしてしまったのではないだろうか。ていうか僕は男子だぞ!?男でこの話題って何!?僕は大丈夫なのか!?正気なのか!?・・・ユウナは引いてしまっただろうか。変なやつって思われてしまっただろうか。)

「たんぽぽ?可愛いよねー。」

(この人は天使なの!?)

「あ、うん。たんぽぽ。可愛いよね。あ、そ、それでね!もしたんぽぽなのに、自分は綿毛で、周りはみーんな花が咲いているとしたらどうする?一緒に蕾をつけた花が今、まだ綺麗な花を咲き誇っていて、周りはみんなその花に釘付け。自分だけがその空間にいない感じがしたらどうする・・!?」

僕はつい声を上げてしまった。ユウナは戸惑った表情を浮かべている。

(しまった。ユウナの笑顔を僕が奪ってどうする・・!)

「な、なーんてね!冗談だよ!中学生にもなってこんな話。冗談に決まってるよ!」

苦笑いだったけれどなんとか誤魔化せた。

「そっか。冗談だったんだ。リヒトくん疲れてるの?変だよー。」

ユウナは笑いながら僕の顔の前で手を振った。

「そうなのかな・・。ごめんね。ビックリさせちゃって。」

本当にどうかしてた。ユウナの言う通り疲れていたのかもしれない。この時点でもうあのまま帰って休んでいた方が良かったのかもしれない。でもそうしなかった。ユウナともう少し一緒にいたいという感情を抑えられなかった。

「リヒトくん今日は変だねー。そういえば弟くんいるんだっけ。双子の。リヒトくんに似てる?」

ユウナの急な質問に心臓がバクバクした。大嫌いなあいつのことなんか話したくなかった。ユウナにあいつの事をあまり知られたくなかった。知ってしまったら会いたくなるんじゃないかって、会ってしまってら弟の方へ離れていってしまうんじゃないかって。不安でならなかった。

「顔は・・なんとなく似てるよ。」

出来るだけ笑顔で答えたが作り笑いだと薄々ばれていたかもしれない。

「へぇ。性格は?似てる?それとも全然?」

ユウナが興味を示しているのが嫌でもわかる。それが苦痛だった。

「性格・・は・・・。似てない・・かな。」

徐々に苦痛を隠せなくなった。

「大丈夫?汗すごいよ。今日はもう帰った方がいいんじゃない?」

心配そうなユウナをこれ以上心配させたくなかった。

「いや、いい。まだ少しここにいるよ。」

僕は明らかに歪んでしまっている笑顔でそう言った。

「そう?辛くなったら言ってね。」

ユウナは優しいなと改めて実感した。

「でもそうか。似てないのかぁ。ふふっ。顔は少し似てるのに性格が全然な弟くん。見てみたいかも。」

彼女にとっては何気ない一言だったのだろう。でもその一言はあまりにも重く、受け止めきれなかった。だから僕は投げ返してしまったんだ。

言葉という凶暴な刃物を。

「うるさいな!さっきから!何なの!?そんなに興味津々にして!ユウナは僕より弟の方がいいの!?弟と遊んだ方が楽しいかもね!いい子ちゃん通し善人ごっこでもしてればいいじゃん!アイツといた方が友達増えるしね!僕みたいな根暗と嫌々一緒にいる必要はなくなるよ!」

そう叫び終わった瞬間僕を襲ったのはユウナの悲しく、申し訳なさそうな顔だった。罪悪感が僕をズタズタに突き刺した。取り返しのつかないことをしてしまった恐怖で僕はその場から逃げてしまった。

振り返らずに走り続けた。そんな事許されるはずないのは分かっていたのに。


第四章

ー 別々の部屋 ー


気が付けば家の前まで来ていた。神社から走ってたらいつの間にか来てしまったのだろう。どうしよう。ユウナにあんな酷いことを言ってしまった。ユウナは何も悪くないのに。考えれば考えるほど罪悪感に押しつぶされそうになった。家の前で地面を見ながら立っているとガチャっと家のドアが開く音がした。

「あ、お兄ちゃん。あの、今から探しに行こうとしてて。こんな時間まで何してたの?」

気まずそうに話しかけてきたのはリクだった。気が付けば辺りは暗く、街灯の光が夜道を照らしていた。

リクはまるで初めて会った人と話すかのようにオドオドしていた。初めて会った人にでもあそこまでオドオドはしないのだろう。リクは僕とは違って人見知りをしない性格だからな。そういう所もイライラした。最近明らかによそよそしい態度をとっていたからどう接していいのか分からないのだろう。

こいつの顔を見るとさっきのユウナの言葉が僕を締め付ける。

『会ってみたいなぁ。』

イライラする。ユウナを・・・。僕を認めてくれる唯一の人を失いたくなかった。イヤだイヤだイヤだイヤだ。ユウナだけなのに・・!あんなに優しくしてくれたのも、心配してくれたのも、理解してくれたのも!全部全部全部!ユウナだけなのに僕は・・・!僕はあんな酷いことを!

「お兄ちゃんどうしたの?」

汗ばんでいる僕の肩に手をおこうとしたリクを振り払って僕は家に入った。僕は自分の部屋に駆け込み、ベッドに座り込んで考えた。どうやってユウナに明日謝ろうかと。たった一つの「ごめん」で許されるとは思ってない。もっと他に・・・。何かないだろうか。

コンコン

「お兄ちゃん。」

入ってきたのはリクだった。

「さっき汗だくだったし大丈夫かなって・・・。気なっちゃって。」

「なに?ウザいよ?僕はなんともないし、そもそもリクには関係ない。」

「・・!?あ・・う、うん。」

何か言いたげな顔だったが僕は無視した。

「お兄ちゃん。あの、ご飯だよってお母さんが・・。」

「あっそ。分かった。」

僕は冷たくあしらった。僕の頭の中はユウナへの謝罪の言葉でいっぱいでリクと喋っている暇ではなかった。

「お、お兄ちゃんはさ・・!どうして・・どうして一人部屋に移ったの?」

僕とリクは元々同じ部屋だったんだ。二段ベッドで、似た机で、似た椅子で。母さんが双子っぽい部屋を作ってみたかったらしい。僕はそれが好きじゃなかった。せめて部屋だけでも分けたかった。だから親に適当な理由をつけて一人部屋に移らせてもらった。母さんも僕とリクがあまり上手くいってないのを察していたのかすんなりオーケーしてくれた。

「別に。前にも言った通り中学生にもなって同じ部屋はないだろ。いつまでも子供じゃいられないんだしな。」

リクは満足のいってない顔をしたが小さく頷き部屋を出ていった。去り際に小声で

「また一緒に喋りながら寝つきたかったな・・。」

と言っていたが僕は聞こえないふりをした。

夕飯を食べ終わった僕はすぐに部屋に戻った。

「よし。明日ユウナに会って伝えよう。ごめんって。僕があいつに劣等感を抱いてしまっている事も全部。包み隠さず正直に。ユウナが今までに正直に接してくれていたみたいに。嫌われてしまうかもしれない。ひねくれていると思われるかもしれない。・・・有り得ないかもだけど・・。そんなことないよって笑い飛ばしてくれるかもしれない。」

その後は風呂に入り、部屋に戻ってからは目覚ましをセットして寝付いた。

朝早く起きて伝えに行こうと思ったからだ。


第五章


ー 信じたくない ー


僕は朝目覚ましでは無い音でめをさました。外が騒がしい。重たい目を開けて時計を見ているとまだ朝の6:12だった。僕が目覚ましをセットしたのは朝の7:30だった。まだ一時間以上ある。こんな時間にどうしたんだろうと窓の外を見たら近所の人の殆どが家から出ててある一方を見ていた。みんなの視線の先にはモクモクと煙を放つ家が見えた。あの方向はユウナの家だ。前に一度だけ神社から指さして見せてくれたことがある。嫌な予感がした。僕は着替えるのも忘れて家を飛び出して走った。ユウナの家のはずがない。きっと近くで家事があっただけだ。ユウナとは関係ない。息苦しかった。それは走っていたからなのか。それとも強い不安からなのか。最初はよく分からなかったけれどすぐに後者の方だったと確信した。煙の出処と思われる家に近づく度にユウナの指さした家の可能性が高くなる一方だったからだ。ユウナの家のはずがない。神様が罰を下すとしたら僕に違いないから。ユウナに何かが起きるなんてありえない。そう思いたかった。そう思うしかこの不安は消えないと思ったから。どうしてもユウナに何かが起きたという可能性を信じたくなかった。でも信じざるを得ない結果になった。間違いない。野次馬が集まっている家は確実にユウナの家だ。嫌な予感が的中したことに絶望した。

僕は目の前の現実を受け入れられず、燃え盛る家をただ呆然と眺めるしかなかった。この地獄絵図の様な光景を魂が抜けたかのように立っているとそこにいた消防士が僕に向かって、

「そこの君!ここはまだ危ないから離れなさい!!」

消防士の声で僕は我に返り家の火が消化されかけている事に気づいた。僕は消防士に鋭く問いかけた。

「ユウナは!あの、ここの家の女の子は無事なんですか!?この家の親も、ユウナも、全員無事ですよね!?」

消防士は僕の勢いに驚き少し戸惑った表情を見せた後、部外者には教えられないとひどく重く冷たい口調で言った。だが僕の必死な眼差しを見て深呼吸をした後に消防士の放った言葉は辛い現実を僕に突きつけた。

「この家の住人はさきほど全員死亡が確認された。」

え、なに?僕の聞き間違えだよね?全員死んだって。。ユウナも?

嘘だ。謝罪の一言もできずにもう二度と会えないのか。嘘だ。ありえない。ウソダウソダウソダウソダウソダ!

信じられない。信じたくない。

僕はその場から逃げ出した。


第六章


どれくらいの日にちが経っただろうか。もうユウナが死んでから数日間が経過していた。僕は学校にも行かず部屋でうずくまっていた。コンコン。部屋をノックする音が聞こえる。またあいつだろうか。僕が部屋でうずくまってから毎日のようにリクがドアの向こうから話しかけてきた。僕がリクと顔も合わせたくないと察しているからなのか、単に僕と面と向かってどう接して良いか分からないからなのかは分からないが、リクはずっとドアの向こうから話しかけてくる。僕としては顔を合わせずにすむから別に問題はないができれば声も聞きたくないと思っていた。

「お兄ちゃん・・?あの・・。今日の学校のプリント預かってきたよ・・。えっと、その・・。」

オドオドしている。言葉に詰まっていることにイライラした。でもこいつと会話する気にならなかったから黙って何処かへ行くのを待った。

「あのさ、お兄ちゃんが僕と話したくないのは分かってる。分かってるけど僕はお兄ちゃんと前みたいに話したい。だから一度だけでいいから部屋に入れて。まともな会話をしよ?」声が震えてた。こいつなりの精一杯なのだろうか。僕はリクに聞こえるようにわざと大きなため息をついて一言で「入れば」とふてくされた口調で言った。

ゆっくりと開いたドアの向こうには今にも崩れ落ちてしまいそうな弱々しいリクの姿だった。

「えっと・・。その・・。お兄ちゃん、火事の遭った家の女の子と知り合いだったんだね。僕・・知らなかったなぁ・・。あはは・・。」

無理して笑って、無理して話題作って、それで前みたいに戻れると本気で思ってるのだろうか。やっぱリクは馬鹿だ。僕はもうリクや、僕を利用して楽をしようとする学校のやつらと関わる気はない。関わればまたストレスが溜まる。心の支えだったユウナはもういない。だったらもう・・。僕が傷つかない方法は部屋の中に閉じこもって誰とも関わらないことだけじゃないか。だからこれで最後だ。リクと話すのも。誰かと関わるのも。

それにしてもこの話題のチョイスはうざすぎる。


前書きに中学一年生のときに書いた話と言いましたが、

念のため言っておくと、今の年齢は中学三年生なので、

今の私もさほど成長してないかもですw。

まいこクオリティを読んだ方には無いとは思いますが、

過度な期待はしないでください。。w


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