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7 淑女にされます。拒否権は……

会話多めです。

【前回のあらすじ】

街に到着

アレクさんの家へ

養子になろうね(強制)

 



 アルカード伯爵夫人という名の嵐が過ぎた後も呆然のしている俺とアレクさんのお母さん。そんな中アレクさんは平然と俺の精神への追加攻撃を仕掛けてきた。



「ティナリア、これで身分証の問題()なくなった。よかったな」


「むっ、なぜだ?」


「養子になると身分証を作り直さなといけないからだな。それよりも貴族の養子になるならいろいろとしつ……教養を教えないとな」


「まて!先ほど不穏な言葉を口にしかけなかったか!?」


「気のせいだ。それより俺の家族を……いや、母様と姉様だけ紹介しよう」



 えっ、どういうことだ?どうして他の家族が紹介できない?気になるな。



「他の家族が気になるのか?」



 あっ、これは地雷だ。それも絶対に踏んじゃダメなやつ。うん、ここは華麗なスルーを決めよう。



「ん?なにがだ?それよりも、アレク殿の母君と姉君を紹介せぬか」


「そうか?それならまず母様から紹介しよう」



 そうアレクさんが言ったところでアレクさんのお母さんが復活した。



(わたくし)はヴィオラ・アインツバルクです。よろしくお願いしますね」


「うむ。ティナリアだ。よろしく頼む」



 ヴィオラさんはThe淑女って感じ雰囲気をまとってるな。



「ティナリアさんも、淑女になるんですよ?」


「むっ。ヴィオラ殿も心が「読めるわけ無いだろ」



 アレクさんに言われてしまった。というか、この家族は人の心を読みのが得意なのか?そんなことを考えていると、奥から足音が聞こえる。多分女性の足音。そんな気がする。



「何を騒いでいらっしゃるんですか」



 現れたのはアレクさんやヴィオラさんと同じ黒髪で碧眼の美人さん。あっ、ちなみにアレクさんは右が黄金で左が蒼のオッドアイで、ヴィオラさんは翠眼だ。



「騒いでないぞ。姉様の勘違いだ」


「そんなわけ無いでしょ。誰かの声が響いてきたわよ」


「気のせいだ。それよりも、今晩泊まるティナリアだ」


「よろしく頼む」


「えぇ、わたくしはテレーザ・アインツバルクですわ。以後、よろしくお願いします」



 うん、こっちはTheお嬢様かな?ただ、気持ちが高ぶると口調が変わるみたいだ。たぶん。



「そうだ。姉様に頼みたいことがある」



 ん?何を頼むんだ?嫌な予感がするんだが……。逃げるか。そうして俺は足音を消して外へ出ようとしたが――



「まて、どこへ行く」


「少しばかし散歩でもな、と想ってな」


「ここにいろ」


「うむ」



 はい、黒アレクさんからは逃げられませんでした。大人しくしておくか。後が怖いしな……。



「それで、頼みなんだかな。ティナリアに教養を教えてやってほしい。ついでに、言葉遣いも直させろ」


「なぜわたくしがしなければいけないのかしら?お母様に頼んだらよろしいのでは?」


「母様より姉様のほうが厳しいだろ。それにティナリアはアルカード家の養子になるんだ。教養がないと問題になる」


「わかったわよ。その代わり遠慮はしないわよ?」


「問題ない」



 どんどん話が進んでいく。俺は置いてきぼりです。お腹空きました。



「貴方達。話がまとまったのなら夕食にしましょう。ティナリアさんがお腹を空かせてますからね」


「そうだな。姉様、頼んだぞ」


「任せなさい」



 そして、テレーザさんはこっちを向いた。後ろではアレクさんがニヤニヤしてる。なんで?



「ティナリアさん、短い間ですけどよろしくお願いいたしますね」



 有無を言わせぬ笑みをうかべながら言ってきた。だが俺にだって男としての矜持がある。ここでおとなしく従うわけにはいかない。



「余は別に教えてもらわなくてもよいぞ。それよ――「ティナリアさん、ご自分のことは“わたし”と言いなさい。それと、貴方には拒否権はないわ」



 ここでも有無を言わせぬ笑みをうかべながら言ってくる。ここで俺は察した。逆らってはいけないと。



「うむ。わかった」


「ティナリアさん」



 怖い怖い怖い。テレーザさんの笑顔がめちゃくちゃ怖い。俺の返事何かダメだっ……ダメだよねこれ。でもこの言葉遣いを直すこと――


 [できるよ。というか、今できるようにしたよ。感謝してね]


 ……できるんだ。というか、今できるようにしたのか。これは感謝……まて、これは管理者(クソ野郎)のせいだよな。感謝する必要ないな。うん。


 それよりも目の前で無言の圧力をかけてくるテレーザさんに返事しないと。



「はい。わかりました。こんな感じか?」


「えぇ、最後の一言がなければ問題ありませんでした」



 こうして言葉遣いを直させられた俺で――



「ティナリアさん“わたし”でしょ」


「……ハイ」



 わたしの心の中はこの家族に読まれているようです。どうしてですか。



「それでは、食堂へ行きましょうか」



 そして、ヴィオラさんの一言でわたし達は食堂へと移動しました。


 そこでもテーブルマナーを教えこまれました。料理の味がどのようなものだったのか思い出せません。その後は侍女たちにお風呂に入れられ、マッサージを受けた後ベッドで眠りにつきました。















 ――こうして、わたしの異世界1日目が終わり淑女教育が始まりました。いつまで続くのでしょう。






レポートが進まないいぃぃぃぃ

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