5 ステータスは自分で見れ……ましたけどね
遅れて申し訳ありません。
管理者が出てきます。
まだ見ぬ街へ向かって歩きながら魔法の説明をしてもらった。まだ街は見えない。まぁ、それはおいといて聞くのを忘れていたステータスについて聞こう。俺が前にいた地球と同じ感じのステータスだといいな。わかりやすいし。
「すまぬが、次はステータスについて聞かせてもらえるか?」
「それは俺が説明すっかな。まずステータスが個人情報みてぇなもんだとは言ったはずだ。どうしてかっつうと、ステータスでわかることが問題なんだわ。名前、年齢、性別、まぁこのあたりはあんま問題はねぇ」
いやいや、問題あるでしょ!プライバシーはどうした!俺は心の中でツッコミをいれる。ただし、声には出さない。なぜなら、俺はこの世界の常識を知らないからだ。
「で、問題があるのが種族、魔法適性、加護、祝福だな。種族については、種族差別のある国とかある。この国はないがな。魔法適性は、まぁバレてもいいんだが……たまに馬鹿に目をつけられる。ちなみに、適性がいらない魔法もあるからな。加護、祝福に関しては、教会が出しゃばってくる。これが一番めんどくさい。まぁ、加護の種類次第だがな」
うわー、めんどくさそう。絶対加護とかいらない。だけど、管理者のことだし付けてそうだな。主に面白そうとかいう理由で(正解である)。
「んで、そのステータスを見るのには魔導具が必要なんだがな。貴重で、ギルドか領主邸にしかない。それ以外の方法だと、解析眼とかの魔眼の類を頼るしかないな。まぁステータスと言ったらこの程度だな」
「そうかそうか。んっ?アレク殿の家でステータスを見れると言っておったが、もしやアレク殿は領主殿の子息か親族か?」
「あっ、言ってませんでしたね。僕は領主の4男になります」
えぇ!?ちょっと聞いてないよ!!貴族様じゃん。こんな言葉遣いで、不敬だ!とか、言われないかな?
「あぁ、言葉遣いで、不敬だ!とか言わないから安心してくれ。ちなみにこの言葉遣いのほうが楽だからこっちでいかせてもらうぞ」
「うっ、うむ。わかった」
えっ?えっ?アレクさん猫被ってたの!?全然わからなかったんだけど。人間観察をよくやってたから、人を見る目には自身があったのに。
……まぁいっか、それよりも俺魔眼持ってないかな?自分を鑑定!……何も起こらない。解析!!…………やっぱり何も起こらない。ステータス見たいな……。
「ひゃっ!」
「ん?どうかしたか?」
「いっ、いや。何でもない」
「そうか」
うおー、めっちゃ驚いたよ。いきなり現れるなよステータス!まぁいいや。ステータス確認しよっと。
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名前:ティナリア
種族:吸血鬼・神祖
年齢:13
性別:女
魔法適性:Unknown
加護〉
クラウス・ソラスの寵愛
祝福〉
見通しの神眼(左)
血塗られた不死鳥
無限異空庫
異常状態無効
精神干渉無効
神託
■■■
うん、やっぱりか……。管理者め!!次会ったら覚えてろよ!!
[だが断る!]
えっ、ナニコレ?
[これが、神託の祝福だよ。ティナちゃんがステータスを見たことだし、なにか質問があったら答えようと思ってね。あっ、念話みたいな感じだから、考えるだけで会話が成立するよ]
へー、って、これプライバシー大丈夫なのか?
[ん?プライバシーってなんだっけ?]
ちっ、ふざけんなよ!この管理者め!!
[いいじゃんいいじゃん。これでボッチ卒業だよ?童貞は卒業できなかったみたいだけどね、くくっ]
くそ、笑ってやがる。てか、管理者がお友達だなんてお断りだわ!
[ひどいなぁ、ティナちゃんは。まぁいいか。あぁ、あと、ティナちゃんが疑問に思ったことは基本はティナちゃんがこの世界で生きるため・めんどくさかったから・面白くするための三原則に当てはめればいいからね♪それじゃあ、またね。気が向いたらまた話しかけるから]
……………嵐のようだった。
そんなことを考えているとアレクさんが近づいて来ていた。いきなり近くにアレクさんがいたせいでドキッとした。しかも、アレクさんが顔を近づけてきて、耳元で――
「おまえ、ステータスはバレないほうが良さそうだな。吸血姫さん」
「えっ、え?」
「ギルドでは、身分証にもなるギルドカードがつくれるからそれだけつくっておけ。あと、俺がステータスを見れることは他のやつには言うなよ」
「うっ、うむ。わっ、わかったから離れてくれないか」
「それならいい」
あぁ、なんだろ。これくせになりそう……って、この扉は開いちゃダメだ!絶対にダメだ!!
ステータスを知ることはできたけど、知りたくないことまで知っちゃったな。でも、黒アレクさん、くせになりそう……。
ありがとうございました。
ストックがないので、あらすじに書いてあるとおりの更新となります。