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ティア  作者: 高木さゆな
2/2

2粒 Doubt

長い一本道を歩いていると、気がつけば当たりは、一面木で埋め尽くされていた。

いわゆる森だろう。

そんな薄暗い道は、私の不安と恐怖を煽るには、十分すぎるほどだった。


ふと、遠くに小さな小屋を見つけた。小屋の煙突からは煙が上がっていて、あそこには誰か人がいるようだ。

私はゆっくりと小屋に近づいた。

すると、中から一人の女性が出てきた。

私は驚いて、少し後ずさった。

そんな私の姿を見て、女性はクスッと笑うと、ドアのそばで小さく手招きをした。

私は小屋へ向かい、窓から中を覗くと、女性がお茶を淹れているのが見えた。


「お邪魔します…。」

思いきってドアを開けると、中から芳ばしい香りが漂ってきた。

入ってきた私を見て、女性は優しい声色でささやいた。

「いらっしゃい、お嬢さん。」


そんな女性は、近くで見ると20歳前半ほどで、整ったその顔は、いわゆる美人だ。美しい真っ赤なドレスを着ている。

私を席へ勧め、焼きたてであろうパンと紅茶を出してくれた。

私は女性に向かい合わせの席についた。

「どうぞ、召し上がって。」

女性に勧められ、いい香りのする紅茶に手をだした。

「いただきます。」

甘いベリーのような香りがした。

女性はゆったりと、穏やかな表情で紅茶を飲んだ。


「どうして、私を迎え入れてくれるんですか…。」

私は、手に持っていた紅茶を置き、女性の顔をじっと見た。

中にいれてくれたときは、本当に嬉しかった。でも、少しだけ不安もあった。

そんな女性はニッコリ微笑んだ。

「そうね。あなたは、もう少し人を疑うことを覚えたほうがいいわ。」


この人は、一体何を言っているのだろう。

「もし、その紅茶に薬が入っていたらどうするの?もし私がオオカミで、あなたを食べちゃったらどうするの?」

女性は淡々と言い続けた。

怖そうな人には見えない。でも、彼女が言うように、もしものことがあるかもしれない。


そう、全てが私の身方じゃないの。

一切顔色を変えることなく、ニコニコする女性をじっと見て言った。

「それは、あなたもじゃないんですか?」

女性は、少し驚いた表情を見せた。

「あら、どういうことかしら。」

今度は、私のことを試すように言った。


怖い。

不安で仕方ない。

女性は変わらず笑顔で接するけど、私の目にはとてもそんな顔には見えない。

本当に薬が入っていたら、私は今ごろ死んでいるのだろうか。


だからこそ。


「もし、私の手にナイフが握られていたら、私は今すぐにでもあなたを殺すことができます。」


私の言葉に、しばらくの沈黙。

そんな空気を壊すかのように、女性は突然笑いだした。

「ふふふっ、ずいぶんおもしろい子がやって来たわね。」

その表情は、思わず緊張が途切れてしまうような、そんな笑顔だった。

「おもしろいわ、大丈夫。私はあなたを殺したりなんかしないし、薬も入ってない。」



言い終えると、近くの棚から何かを取りだし、私の手の上にのせた。

「これ、あげるわ。何かあったときに食べて。」

小さな袋に入れられたそれは、おそらくクッキーだろう。

「ありがとう…。」

ぎゅうっと胸が苦しくなった。


同時に、クッキーを持つ手の上に、何かがパタリと落ちた。


「あ…。」


目からぼろぼろと涙が零れ落ちる。

「あらあら、どうして泣くの。」

女性はぎょっとして、私の目に優しくハンカチを当てた。


わからない。

でも、涙が溢れて止まらない。

苦しくて、でも、胸がとてもあたたかな気持ち。


「ありがとう…ありがとう…。」

ただその言葉しか出てこなかった。

「泣き止んで、もう。ほら、行きなさい。」

女性は私の涙を拭うと、背中を押してくれた。

「ありがとう。」

「さっきから、それしか言ってないじゃない…。」

今度は呆れ顔で言った。

「えへへ、うん。」

私は、そんな女性の言葉に思わず笑みが零れた。

涙なんかより、あたたかい笑顔だ。


「さ、行ってらっしゃい。」

小屋から出て、私は一歩踏み出した。

振り返ると、女性が手を振っていた。

「行ってきます、さようなら。」

私も手を振り返すと、嬉しそうな顔をした。

その笑顔に、また胸があたたかくなった。



そのまま私は小屋から離れ、森の中へと歩いていった。


気がついたら1ヶ月たとうとしていてビビった。

雫ちゃぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!

ちなみに続きは一切書いてません。(キリッ

は、話は考えてあるんだよ!?

ホントなんだよ!?

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