1粒 Origin
朝、15歳の少女、雫は、いつもと同じ時間に目が覚めた。
私服に着替え、リビングに向かったが、誰もいない。いつもなら母がいるはずなのに。
だから、静かに寝室を覗いた。
だが、誰もいない。
窓の外を見ると、朝のはずなのに外は真っ暗だ。
夜とは全く違う、何も見えないほどに真っ暗だった。
不信に思い、玄関を開けた。
そんなドアの向こうは、いつもとは違う風景が広がっていた。
先も壁も何もない。ただ、どこまでも果てしなく続く空間が広がっていた。
振り向くと、ドアがない。何もない空間に、私一人取り残されたようだ。
ふと、目の前に何かが転がっているのに気がついた。
近づくと、それは…
「っ!?」
床に横たわっている、血だらけの二人の男女だ。
男性は両手の指がバラバラに刻まれており、両足が足首からざっくりと切られていた。
女性は頭と胴体が離れていて、少し離れたところに首が転がっていた。そんな顔から右目が飛び出していて、今にも眼球が落ちそうだった。
どちらも、切断された部分から大量の血を流していた。
死んでいる。
私は、女性の首を男性の顔の隣に並べ、優しく頭を撫でた。
そして、二人の顔を交互に見た。
これは、私の父と母だ。
そう気がつくと、訳もわからず自然と涙が溢れた。ただ、声をあげて泣いた。
でも、私の涙がどれだけ流れようと、二人がこの涙を拭ってくれることはない。
しばらく泣き濡れ、涙が止まった頃には、もう何時間も経っていただろう。
私は、もう一度二人の顔を見た。ふと、父の首もとに光る何かを見つけた。
それを探ってみると、美しいネックレスが出てきた。
私は少し迷ったが、ネックレスを父から外し、自分の首にかけた。
父の顔を見て呟いた。
「ごめんなさい、お父さん。ありがとう。」
二人がなぜこんなことになってしまったのか、誰にされたのかなんてわからない。
でも、私はそんな父や母の為にも、ここから出なければいけない。
ただ、そう思った。
気がつくと、目の前に長い一本道が続いていた。
私は、そんな一本道に、足を踏み出してしまっていた。
はじめまして、こんにちは
なんかフリーホラーゲームっぽくなりました
雫ちゃんにはこれからももっと泣いてもらいます((