表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました  作者: 陽花紫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/19

あの時「反逆」を選択していたら~魔王側へ~

 選択肢が示す光の中、ライとレイは互いに視線を交わしていた。

「これで……、運命を変えられるのか?」

 ライの声は、静かに震えていた。

 だが、その瞳には決意の光も宿っていた。


 レイは微笑むでもなく、ただ冷たく光る瞳をライに向けていた。

「ライ兄さん、俺と一緒に……来てくれる?」

 その瞬間、二人の意思は一つに重なった。


『反逆』


 運命に抗う反逆、それが二人の選んだ道であったのだ。


***


 ライは勇者一行の前で、ゆっくりと歩を進めていた。

 剣士や魔術師の驚きの表情。そして勇者とクリスの鋭い視線が、ライの心を貫いていた。

「ライ、何をするんだ!」

 クリスの声が、震えていた。

 胸を締め付ける痛みが、ライの心を揺さぶった。


 しかしライは、迷うことなく振り返り勇者一行に向けて頭を下げていた。

「どうか、この戦いをやめてください。そこにいるレイは、たった一人の弟なんだ……」

 勇者たちの視線は、変わらず疑念に満ちていた。

「今から俺は、魔王側につく」


 それは、裏切りであったのだ。

 ライの心は、すでにレイの悪しき力に引き寄せられていたのであった。

「すべては、ここに辿りつくために!」

 ライの言葉に、勇者一行は唖然とする。

「ライ、どうして……」

 もはやクリスの声も、届きはしない。


***


 双子は共に、戦場に立っていた。

 勇者一行は混乱し、戦意を削がれつつも攻撃する手を止めなかった。

 しかしライの力とレイの悪魔としての力が融合することで、攻撃は圧倒的な力へと変わってしまう。

 勇者と剣士の剣が空を切り、魔術師の魔法が炸裂するものの、それは双子の前においては無力であった。

「目を覚ませ!」

 クリスの叫びも届かず、双子の力は増幅し、勇者一行を次々と打ち倒していく。


 その戦場で、ライの心はただ一つの想いに集中していたのである。


「弟を、守る。たとえ世界が敵になろうとも、俺はレイと共にいる」

「ライ兄さんと俺は、ずっと一緒なんだ!」


 激しい戦闘が終わりを迎える頃には、勇者一行は完全に敗れ、魔王さえもその力により滅んでいたのであった。

 戦場は瓦礫と煙に包まれ、戦いの痕跡だけが残されていた。


 戦いの後、レイは新たな魔王としてこの世界を支配することとなっていた。

 その隣には、愛するムウと、敬愛する兄ライの姿があったのだ。

 ライは決してその力を誇示せず、ただ弟のそばで守る存在として在り続ける。

 そしてムウもまた、影のようにその側へと立っていた。

 レイの幸福を、ライと共に静かに見守る存在として。


 時折、インキュバスはわずかにほくそ笑む。

「新たな魔王の誕生。すべて、俺の計画通りだな……」

 しかしレイは、そのようなことは知らずに生きていく。


 悪魔としての力も、魔王としての威光も、すべてを包むのは穏やかな愛情でもあったのだ。

 レイはライとムウに囲まれ、心からの幸せを味わっていた。

 戦いも争いも終わり、やがて世界は混沌から平穏へと変わっていく。


 戦いに抗い、運命を覆した双子は、力と愛に満ちた甘く温かな日々を迎えるのであった。


END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ