秒でピーピー
私の祖父には遺言があった。
そこに書いてあったのは家の庭のどこかに宝が埋まっていると言う事だった。
その宝は一生家族を幸せにするだろうと書かれていたと母が言っていた。
それを知った日から家族の様子が一変した。
あんなに仲が良かった家族がギスギスし出したのだ。
まず初めに変わり始めたのは父だった。
仕事も行かず一日中家の庭を金属探知機を持ってウロウロしていた。
少しでも反応が出ると私と弟を呼びつけスコップで庭をほらせたのだ。
(ピーピー!!)
「おい!ここ掘ってみろ!」
私たちは言われた通りに庭を掘った。
そこにはどこの誰のかも分からないドロドロのトロフィーが3つも出て来たのだ。
「何だよ!こんながらくた!」
そんな風に毎日毎日こんな日々が続いていた。
学校から帰ってきたら真っ暗になるまで穴を掘り、朝起きたら穴を掘り、私たちの体力も限界に来ていた。
「もう無理!やってらんない!何にも出てこないじゃん!」
「そんな事はない!おじいちゃんはこの庭から宝が出ると言ったんだ。」
「てかお父さん、私たちばっかり掘らせて自分は何にもしてないじゃん!少しは代わってよ!」
「母さんに頼めば良いじゃないか。おい!母さん!」
「母さんはおじいちゃんの家に片付けに行ってるらしいよ。」
「そうなのか。でも父さんは腰が痛いんだ。若者よ!頑張るんだ!ハハハハハッ」
このクソ親父!私たちばかりに押し付けやがって!
自分は毎日酒ばっかり飲んで楽してるくせに!
明日も明後日も宝が出なかったら?
こんな生活一体いつまで続くんだ、、、、。
あーーーーーーーーーー!!!もう!!!
げ・ん・か・い!!!!!!
私は穴を掘った時に出てきたドロドロのトロフィーを手に持ち父の頭めがけて思いっきり走った。
「くそジジイーーー!!くたばれーー!!!」
そう言って思いっきり父の頭に叩き付けてやった。
父の頭に命中し父は血を流しながらその場に倒れた。
「きゃー!!何があったの?!お父さん!お父さん!」
血を流してぐったりしている父を見て帰ってきたばかりの母が動揺していた。
「アイタタタ、、、。心配するな。大丈夫だ。こんなところで死ねるか。宝があると言うのに、、、。」
「あー!良かった!
こんな時に言いにくいんだけどぉー。
わたしぃー遺言ちょっと読み間違えたみたいでぇー、おじいちゃんの家の庭にぃー
宝があるみたいなのぉー。
母さんったらおっちょこちょいさんっ!(テヘペロ)
ハハハハハ~。」
それを聞いた父、私、弟の手にはドロドロののトロフィーが静かに握られていた。
やたらギャルな母wwいますぐ逃げてーww