表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/34

第15話:負け犬の過去

◾️氷の対決


アーレイが冷気を帯びた魔法陣を展開させると、取り囲んでいた兵士が一斉に飛びかかってきた。


「怯むな!この異端者を殺せ!」

兜に大きな飾りをつけた重装兵士長が叫ぶ


その瞬間、アーレイが手をかざすと『氷魔法・アイスレイン』が放たれ、空から無数の氷の氷柱が兵士めがけて飛んでくる。


「ぐああああ」


「ぎゃぁぁぁぁぁ」


重装兵士の鎧をことごとく貫通し、骨や肉に突き刺さる。力尽きた者からバタバタと倒れ、鎧から湧き水のように血の海が広がっていく。


「おお…なんという強さだ…我が隕石の加護を宿した神聖な鎧の兵が…この異端者めが…」


シビゲールは恐れ慄く。

モルモンが笑ってアーレイの方を見て


「おーやるようですね、さすがはグリニードの戦災の孤児。”死にたくなさ”だけは一人前と言える。」


グリニード聖槌戦争…かつてこの世界に存在していた氷魔法属性をもつ民族が異端民族と見做され滅ぼされた戦い。


アーレイはモルモンを睨みつけ

今度は大鎌を構えて風を切るように突進する。


モルモンが腰から弧型の双剣を引き抜き

大鎌の一撃を受け止め、大きな火花が散る。


命を刈り取る形をした剣先がアーレイの鼻先まで迫り、カチャカチャと鍔迫り合いになった。


「なぜ!バラス様を売るようなことをした!お前に何の得がある!」


「アーレイ、君には到底分からないよ…僕は君のように拾われて、あんな風に可愛がられてないからね、尻尾を振るだけの負け犬と一緒にされたら困る」


「くっ、ほざくな!」


アーレイは後ろに下がり、大鎌の5つのスロットから銀弾をモルモンめがけて発射させた。


しかしモルモンには当たらない。


「良い武器ですね…その大鎌はあなたの両親が最後に残した武器…いや、敗者の遺物でしたね」


モルモンは哀れな眼差しをアーレイに向け、ローブを払い手を上にかざし、声高々に唱えた。


「天から降臨せし氷の隕石メテオよ!我が手に力を宿し、哀れな敗者とを劃く、神聖な力を!」


モルモンが手を振りかざすと、ぼんやりと光りを帯び、紋様が描かれた円盤上の氷が無数に召喚され、高速に回転しながらアーレイに向かって放たれる。


アーレイは身を翻してかわし、時には大鎌で弾いた。しかし防ぎきれず、徐々に切り裂かれていく。


(はぁはぁ、こんなところで…死ねないのです…私は…エリアス様にお伝えして…早く逃げていただかなければ…)


「モルモンよ、少しは手加減したまえ。そいつを殺してはいかん」


2階から戦いの様子を見ていたシビゲールは、髭を撫でてこう言った。


モルモンは膝をついてシビゲールを見上げた。

「シビゲール様、申し訳ございません、近しき血の者と再び出会い、つい、虐めてみたくなったのです」


アーレイは血だらけのその肩を手で押さえながら

モルモンに言い放つ。


「ハハ…かつて我ら民族を蹂躙したメルスマ教会に心まで懐柔されるとは、お前こそ立派な負け犬ではないか」


モルモンはアーレイを睨みつけ


「そろそろ終わりにしましょうかアーレイ。あなたも美しくいたいのだろう…だが、この素晴らしき加護を受けいれた私と、一緒にしてもらっては困る」


再びモルモンは手を上にかざし唱え始めた。

アーレイは大鎌を振るい、最後の力を振り絞って突進する。


「ぐぁ…エリアス…様…」


アーレイは地面から聳り立つ氷の柱の先で

力無く揺れていた。


つづく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ