夢を見る少年
毎日僕は夢を見る
けれども全く覚えていない、覚えているのは
(一人の少女が泣いていたと言うことだけ、、、)
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「白起きなよ、、、」
腹のあたりに重たく生暖かさを感じて目を覚ました
「やっと起きた、あと少しでいいことしてたのに」
長いポニーテールの茶色い髪をなびかせ、子供っぽいパンツを履いている
この変態は僕、夢野白の幼馴染、高坂千野だ
「今日ってなんかあったっけ?」
千野は綺麗な眉間にシワを寄せ僕をにらみながら言う
「今日から高校生だよ!」
僕は焦って起き上がろうとした
だが、マウントを取られているこの状態では起き上がれない
僕はもがいた、手足をばたつかせて
「千野どけよ、起き上がれないだろ!」
そう言っても、変態ドSのこいつはずっと微笑んで僕を見ているだけだった
【登校道中】
「千野初日から遅刻したらお前のせいだぞ」
僕たちは走りながらけなし合っていた
「白が起きないから起こそうとしただけじゃない!」
そして校門が見えてきたその時
目の前で、黒髪の少女がふらついていた
「危ない!」
白は、少女に飛びついた
そして聞こえたのは女の子の声だった
目を開けたとき見えたのは懐かしさのある、少女の顔だった
「大丈夫ですか?」
その声はやはり懐かしさを感じさせた
「大丈夫って、君のほうが、、、」
少女は申し訳無さそうな顔をする
「白、急に飛び出したりして何してんの!」
早口で言う千野
少女を見るに睨みつける
「あんた誰?」
睨みながら言うその様はまさに鬼そのものだった
「いや、引かれそうになってたからさ、、」
「あんたは黙ってて」
何で怒っているのか全く分からない白は呆然とした
「昼夜夢、、」
やはり懐かしさを感じた
それは、白だけではなかった
「昼夜さん!」
彼女は名前を言い残し倒れた