A郡B町
【A郡B町】異常発生2日目
『とりあえずはここから一番近い町、A郡B町だな』
A郡B町は、町村合併により町となったエリア。
A郡は6万人程度だが、密集していない。
町を中心として村が点在している感じだ。
そのうちB町は3千人程度の人口。
3階建て以上の建物がめったにない。
どこが町の中心かわからないようなところだ。
それでも、コンビニが1軒営業している。
B町に近づく。
たまに乗り捨てられた車を見かける。
ガードレールに衝突して、水蒸気をあげている車もある。
最近まで人が乗っていたのだろうか。
町中に入っても人影がない。
だが、魔物やゾンビはそこらじゅうで感知される。
とりあえず、コンビニによってみる。
コンビニは街の入り口にあり、他に気づかれにくい。
コンビニからやや離れた場所に車を停める。
双眼鏡で偵察してみる。
『市河さん、コンビニの前に3体のソンビ』
『ゾンビもいるのか?』
『動きがトロいので、排除は難しくありません』
市河さんも自前の双眼鏡を覗いている。
店の前に3体のゾンビ。
店の中に種類は不明だが何体かいそうだ。
店の前100mの場所に陣取った。
『梨香ちゃん、いくぞ』
『はい!』
梨香は車窓からボウガンを出して狙いをつけた。
『バシュ』
見事、矢はゾンビの頭に命中。
黒い霧となって消滅した。
『よしっ』
梨香は続けてボウガンを連射した。
残りのソンビも消滅した。
『わあ、これね、お祖父様が言ってたことって』
名前 市河梨香 いちかわりか
年齢 12歳
出身 大和国
種族 人間
特記 身体強化L1 弓L1
『ほんと、ゲームみたい!』
梨香にゾンビをやっつけたショックはないようだった。
現実味がないのかもしれない。
俺もいまだに半信半疑だしな。
『にゃ(どう?)』
『ほんとだ!レオちゃんの言葉がわかる!宜しくね、私は梨香よ』
『にゃ(おk)』
次は店の中だ。
侵入スキルを持つレオに店をチェックさせ、
ホテルのように中の敵を外に誘導してもらう。
敵が店から出るや否や、次々と排除していく。
2体のゴブリンと1体のゾンビだった。
これは市河さんにしとめてもらった。
俺たちは敏速に食料を中心に車に運び込む。
無駄かもしれないが、金を置いておく。
『さて、次はどうしましょうか』
『まずはガソリンを給油したいところだが、うろつく怪物が多そうだね』
遠目からも怪物の姿を視認できる。
そこら中にいる感じだ。
『では、まず拠点を探してみますか』
『ここは町といっても人口が数千人しかいないからね。堅牢な建物があるかな』
『役場支部に行ってみませんか。たぶん、町の簡易マップがあるんじゃないでしょうか』
役場支部は町の比較的はずれにある。
おそらく、うろつく怪物もあまりいないだろう。
役場支部に到着すると、怪物の気配はなかった。
簡易マップはエントランスに入ればすぐに見つかった。
マップはかなり詳しかった。
だが、適当なのが見つからない。
学校はおそらく窓ガラスだらけだろう。
交番や消防署は小さすぎる。
病院も診療所しかない。
スーパーマーケットがある。
拠点にはできないが、ここは確保したい。
『なかなか、これといった施設がないね』
『ええ』
『これなんてどうですか?大きそうな建物ですけど』
梨香が指し示す建物は町の中心からかなり離れているが、
薬品研究所&製造工場だった。
町の案内にも、画像入で載っている。
かなりの大きさだ。
普通の小学校程度の大きさはある。
しかも、窓ガラスが殆どない。
『セキュリティ厳しそうですね』
『たぶんね。でも、一応行ってみようよ』
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