別荘地2
【別荘地2】異常発生2日目
『それにしても、サプレッサーと言ってもけっこう音がするんですね』
『完全には消せないね。遠くの人には聞こえない、という程度かな。映画のようにはいかんよ』
『それでも、あるとないとではかなり違いそうですね』
『遠距離射撃なら、まず気づかれないからね』
『梨香、でておいで。怖かったろ』
『ううん。レオちゃんがいたから。レオちゃん、いい香りがして気持ちが落ち着く』
『にゃ』
『市河さん。こんなこと言うのはなんですが、この別荘は外敵からの守りとしてはオープンすぎますね』
窓ガラス面積の広い別荘である。
守りに向いていない。
『まったく、その通りだ。物資の補給も必要だろう。街にいこうか』
『そうですね。守りの固そうな建物も見つけましょう』
俺たちは、できる限りの物資を車に積んだ。
『じゃあ、急いで街へ行くか。敵が集まってくる前に』
『ええ』
『にゃあ(チュールも探せよ)』
『おお、僕にもレオの声が聞こえたよ』
『市河さんが、魔物を倒したからですかね』
『ああ、そうか。僕たちはゲーム世界に迷い込んだんだな』
『ええ、私聞こえない』
『うーん、そうなると梨香にも魔物を討伐させたほうがいいんだろうか。身体強化は魅力的だよな』
『銃なんて怖い』
『私のボウガンを使えば、お孫さんでも容易に討伐できると思いますが』
俺はボウガンのデモンストレーションをしてみた。
『どうだ、梨香。こっちのおじさんのボウガンを使ってみるか?簡単だそうだよ』
『レオちゃんとしゃべれるの?』
『ああ。体ももっと強くなれるよ』
『苅屋さん、梨香は喘息でね。僕の息子夫婦が外国に赴任していることもあるんだが、ほら、最近へんな病気が流行ってるだろ?療養を兼ねてここに来てたんだよ』
『ああ、中津国発とか言われている病気ですか。なるほど。身体強化のスキルが発現すれば、喘息や病気も治るかもしれませんね』
『私、やる。レオちゃんとしゃべる。喘息、辛いし』
梨香は瞳に強い色をたたえていた。
それならと、梨香にボウガンの練習をさせようとした。
『あれ?矢がでてこない』
俺がクロスボウに触ると矢が出てくる。
このクロスボウは俺の専用武器になっているみたいだ。
いろいろ試してみた結果、
カールコードを俺につけていれば発射可能なのがわかった。
『構えると、矢がでてくる。ターゲットに狙いをつけると、印が赤くなる。そしたら、引き金を引くだけ』
『バシュ』
『ああ、すごく簡単』
『あとはね、ターゲットを怖がらないこと。いいかい、奴らは普通の生き物じゃない。やっつけると黒い霧となって消えちゃうなんて、おかしいでしょ?』
『はい』
『よし、いい子だ。じゃあ、これから街に向かうけど、奴らが現れたらやっつけよう。車の中からの射撃するだけだから、安心だよね』
『わかりました。頑張ります』
『レオ、俺と行動をともにするとき以外は梨香ちゃんのそばにいてあげてよ』
『にゃ(わかった)』
『梨香ちゃん。レオは強いだけじゃなくて、周囲の気配に敏感だから安心できるよ』
『うん、とっても嬉しい!レオちゃん、よろしくね』
『刈谷さん、レオくん、僕からも感謝を。ありがとう』
『いえいえ』
『あと、老婆心ながら、レオくんがしゃべれるのは僕たちだけの秘密にしておこうよ』
『ああ、ご配慮ありがとうございます』
『梨香もいいね』
『どうして』
『悪い人がいると、レオが誘拐されるかもしれないよ』
『ああ!レオはカワイイからね。わかった』
俺もちょっと失敗だったな。
反省しよう。
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