円盤基地 本部
【円盤基地 本部】
宮殿の中の部屋に入ると、魔法陣が現れた。
『ああ、みなさん。これがさっき言っていた魔法陣です』
魔法陣は、円に六芒星を中心とした紋様に、
複雑な線が書き込まれた図形のことである。
適切な図形が描き込まれていれば、
これに魔力を注ぎ込むと魔法が発動する。
『すると、この中に入ればどこかに転移するということか』
『ええ。魔力を注ぎ込めば』
みんながレオを見る。
『どこに転移するのだろう』
『それはヤツラの円盤の基地じゃないか』
『苅屋さんが見たという円盤が降り立った山か』
『おそらく』
『行ってみるか』
『ここまできたんだから』
『じゃあ、みんなで行くぞ』
『待て。壁を壊して車を乗り入れよう』
『それとさ。せっかくだから、H基地を探検してみないか。まだ武器があるかも』
俺たちは、H基地を捜索することにした。
前回来た時は急襲されて死ぬ思いだったが、
おそらく、敵は本拠地での戦闘でほとんど殲滅したのかもしれない。
敵のいる気配がない。
また、A基地はひどく破壊されていたが、
H基地はほぼ無傷だ。
ヤツラの宿舎のようなポジションだったのか。
ラッキーなことに、装備もかなり残っている。
ひょっとしたら、武器をテスト・点検していたのかもしれない。
新たに手に入れたものとしては、
○40mm自動てき弾銃
○携帯地対空誘導弾
○自走式地対空誘導弾SAM-3
○35mm2連装高射機関砲
などという強力なものがあり、
ミリオタの三田さんが狂喜していた。
マニュアルも探し出したが、使えるのか。
『いずれも私が軍にいたころには採用されてたやつやけど、触ったことはないなあ』
誘導弾と高射砲はいずれもレーダーのようなものがついている。
その操作が難しそうだ。
『オレが必ず動かせるようにします』
そう意気込むのはやはり三田さん。
たぶん、時間はあるだろうからみんなで研修するか。
さて、2台の車に分乗して、俺たちは魔法陣に乗った。
魔法陣は直径10mほどあり、SUV2台同時に運べる。
『(みんな、てんいまほうをはつどうさせるよ)』
レオがそういうと、周囲がひかりだし、
一瞬気が遠くなったと思うと、
体育館のようなだだっ広い部屋が現れた。
すると、周囲に先程のダークサタンを小型にしたような
存在が何体もいた。
『(パラライズ)』
レオは麻痺魔法を発動し、ヤツラを無力化する。
俺たちは車を降りると、すぐにヤツラをまとめ、
武器を向ける。
『(へるはうんど、でてきてやつらをみはれ)』
十以上ものヘルハウンドが床から姿を現し、
魔物ににらみを効かせた。
『(こいつらはデーモン。ダーク・サタンのしたっぱ)』
『みんな、大丈夫か?』
『『『問題なし』』』
『(じゃあ、いまからこいつをおこす)』
レオは一体のデーモンに電撃を放つ。
『!』
そのデーモンは目をさました途端、
自分に向けられている武器に驚く。
『◎△$♪×¥●&%#?』
『※□◇#△!』
『▲※◎★●!?』
『▼※△☆▲』
意味不明の会話がレオとデーモン間で繰り広げられる。
『みなさん、あれはデーモン語です。俺が通訳します』
ダーク・サタンは念話で話してきたから、
言葉に関係なく、概念で話し合うことができた。
しかし、デーモンにはそういう能力はない。
デーモンによると、ここはやはり円盤基地。
さきほどのダーク・サタンはこの辺りの責任者で、
俺たちを討伐に向かったという。
俺たちがやっつけたわけだが。
やつらはゴブリン計画にもとづき、
円盤でここら周辺にウィルスをばらまいたようだ。
ウィルスを吸い込むと、殆どは死亡し、
その生体エネルギーを糧として、
適性のあるものがゴブリンになる。
その後は、ゴブリン⇒ホブゴブリン⇒オーク~
と進化する。
それは俺たちが予想したとおりだった。
円盤は元々中津国が開発したもの。
垂直離着陸ができるため、滑走路が不要で、
この円盤を使って、当初は中津国でウィルスをばらまいた。
それが世界を騒がせている中津国発の感染症の原因だった。
効果を確かめたあと、世界中に拠点をいくつも作り、
一気にウィルスをばらまいたという。
あの時の光は、ウィルスの蔓延を確認後に、
ウィルスを活性化させるもの。
遮蔽物関係なく、ほぼ全ての物質を通り過ぎる。
部屋には全部で3つの魔法陣があった。
一つはH基地へのもの。
一つは中津国の拠点へのもの。
そして、ひときわ大きい魔法陣は、
なんと異世界へ行くものであった。
『(どうする?あっちへ行くか?)』
『『『もちろん、行く』』』
みんな即答だった。
この世界にいても、ジリ貧だ。
主に、食糧面において。
それと、異世界を見ることができる、
そしてそれは魔法の世界だ。
誰しもが厨二心をワクワクさせた。
『それに、俺らの親・兄弟・子供・恋人・友人、そして全人類の敵が、この魔方陣の向こうにいる』
『その前に、中津国への魔法陣をどうするかだな』
『こっちと行き来できるのは不味いよな』
『うん。中津国側を壊滅させるというのなら別だが、意味がないだろ』
『そうだな。俺らの手に余るし、仮に壊滅できたとしてもその先が見えない』
『(まほうじんのいちぶをこわしておこう。いつでもふっかつできる)』
『ああ、ひょっとしたら使うかもしれんからな』
レオは魔法陣の一部を書き換えた。
『(これで、このまほうじんをつかったやつはそのまましょうめつする)』
おお、死の魔法陣か。
『じゃあさ、キャンピングカーももっていけないかな。サイズ的にいけそうなんだが』
『キャンピングカーがあれば便利だもんな。無理なら、ある程度荷物をもってきたい』
キャンピングカーの長さは、最大7m弱。
魔法陣は小さいものでも直径10m近くあった。
俺たちは、宮殿を爆破して、
どうにか魔法陣まで車が通れるようにした。
『では、みんな準備いいかな?』
『『『おー!』』』
まず、第一陣として、俺、西田、市河、飯田、中村と
レオ、そして多数のヘルハウンドが向かうことになった。
転移すれば、すぐに戦闘となるだろう。
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