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下山したらゴブリンに襲われていた

【下山したらゴブリンに襲われていた】異常発生2日目


 俺たちは山を降りることにした。

 緊急事態だ。

 ホテルの車を借りることにした。


 しばらく走っていると、


『(タケシ、てきがいる)』


 俺たちは車をとめ、辺りを見渡してみる。

 すると、道沿い前方200mぐらいのところに、

 止まっている車と、周りに緑色の物体5体。

 はっきり見える。


 以前の視力は両目とも0.8だったが、

 今は2.0を軽く越えていそうだ。



『ゴブリンに襲われているぞ』


 俺は慎重に前進したがすぐに気づかれた。


『ギー!』


 耳障りな音を発しながら、一部がこっちに向かってくる。


 俺はクロスボウで狙いをつけ、連射した。

 3体が消滅する。


 それを見た残り2体がこちらに向かってきた。


『こいつらって逃げることしねーよな』


『(あたまよわい)』


 ゴブリンは超攻撃的な性格をしている。

 隠れることをしない。

 脅威に対してまっすぐ向かってくる。


 俺はクロスボウを連射して、残りのゴブリンを排除した。

 ゴブリンに対する恐怖心は随分と薄れている。





『危ないところ、どうもありがとうございます』


 車から降りてきたのは、60代と思われる男性、

 そして、10歳プラスぐらいの少女だった。


『何なんですかね、ヤツラ』


『わからんですね。ああ、僕は市河隆一です。この子は僕の孫。梨香です』


『助けてくれて有難うございます』


『いえいえ、私は苅屋健志です。それから、こいつは相棒のレオです』


『わっ、カワイイ』


『にゃあ』


 レオは彼女の足元で体をこすりつけている。

 褒められて機嫌がいいようだ。



 市河さんは身長175cm、体重65kgぐらいの

 壮健なタイプだ。

 年齢は60代だろうが、活力を感じさせる。


 ロマンスグレーの垢抜けた人だった。

 長髪で、髪を後ろでまとめている。

 相当なイケオジである。


 少女は身長140cmぐらいの利発そうなタイプだ。

 祖父に似て随分と美少女である。

 並のアイドルに恥をかかせるレベルだ。



『それにしても、奴らはやられると黒い霧となって消滅してしまった。普通の生物じゃないね』


『ええ、なんだか世界がおかしくなってますね』


『僕はそばに別荘があってね。僕の趣味のクレー射撃の拠点にしてるんだよ』


『この辺りにクレー射撃場があるんですか』


『うん。このさきのN市にね』


『スマホ、使えないんですが、市河さんはどうですか』


『スマホだけじゃないよ。テレビもラジオもネットも駄目だね。昨日の夜にね、空が明るくなったと思ったら停電してしまって。それから自家発電に切り替えたんだけど』


『ああ、私も空が明るくなったのは見ました。そのあと、魔物が現れたんですよ』


『そうか。あの光はこの騒ぎの始まりだったんだな』


『私もそう思います』


『それで別荘から出てきたんだが、今の怪物に通せんぼさせられたところにタイミングよく君が現れたんだよ』


 俺も駐車場やホテルでの件を市河さんに説明する。



『しかし、そのクロスボウ。すごい腕だね』


『これは、でかい怪物の落としたらしい物で。不思議な性能をもってます』


 といって、俺はクロスボウを連射した。


『どこからか自動的に光の矢が現れて、しかも連射可能か。威力もかなり強いな。ゴブリンやゾンビといい、これは現実の話なのかね?』



 俺は地上にリングが落ちていることに気づいた。


  名前 腕輪

  特記 守備力10%アップ


『市河さん、どうやら怪物はときどき装備品を落とすみたいです。この腕輪、守備力を強化してくれるみたいですよ』


『なぜわかるのかね?』


『これも不思議なんですが、怪物をやっつけてから、俺はものの性質とかがわかるようになりまして』


『目利きか。まさか鑑定魔法とか言うんじゃないだろうね?』


『そのまさかです。鑑定魔法の初歩が備わったみたいです』


『本当か。いや、疑っているわけじゃない。本当にファンタジーの世界に変わってしまったんだな』


『ファンタジーでも、ダークなほうですね。ささ、お二人共指輪をつけて』


『苅屋さん、感謝するよ。おお、なんだか少し強くなったような気がする』


『有難うございます。私も強くなった気がします』



『すぐに気づかれるようだから言っておきますが、レオにも不思議な能力がつきまして。意思の疎通ができるようになってます』


『意思の疎通?念話かな?』


『たぶん、そうですね』


『にゃあ(こんにちは)』


『?にゃあ、としかきこえないんだが』


『あれ、念話は私だけですか』


『レオちゃんと会話ができるんですか?』


『うん、念話っていって、頭の中にスマホがある感じかな?』


『えー、私もレオちゃんとしゃべりたい』


『にゃあ』


『苅屋さん、レオちゃんも魔法が使えるの?』


『梨香ちゃん、レオは小さいけど、とっても強いんだよ』


『わあ、凄い!レオちゃん、よろしくね!』


『にゃあ』



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