N市攻略1
【N市攻略1】5月
4月いっぱいはC町の制圧と生活の安定に時間をかけた。
A郡B町とC町では魔物はほぼ見られなくなっている。
平時ならば、連休シーズンに入っている。
なんだか、遠い世界に感じる。
『5月になったら、いよいよN市攻略だな』
『N市は人口10万人の中小都市だ。2割近くは魔物やゾンビになるとすると、2万体近くの敵が彷徨していてもおかしくない』
目標は
西田さん武器店。残りの武器を回収したい。
イ○ン・ユ○クロ。衣類が欲しい。
生き残りの救助。
N市を訪れると異様な光景を目にすることになる。
『おい、見てみろよ、ゴブリン同士がやりあってるぞ』
言葉通り、ゴブリン同士が激しく死闘を繰り広げいていた。
『うわっ、あのゴブリン見てみろよ。みるみるうちに大きくなっていくぞ』
なんと、共食いを制したゴブリンがホブゴブリンに
進化したのである。
『これは、研究陣の報告とおりだな。ゴブリンの争いからホブゴブリンが誕生するやつ』
実は、ゴブリンは人間から生体エネルギーを得ている。
当初8割の人間が消滅した。
その生体エネルギーを吸収してゴブリンが誕生した。
ゴブリンは人間10体ほどを吸収する。
生き残りが数%いたが、殆どはゴブリンに襲われた。
ゴブリンになりきれないのはゾンビとなった。
ゴブリンが同士討ちをするのは、
お山の大将を決めるためだ。
ゴブリンの中で上位の存在を決定する。
お山の大将となったゴブリンは、
ゴブリンのエネルギーを受けて、
ホブゴブリンに進化するのである。
では、そのホブゴブリンはどうするか。
配下のゴブリンをひきつれて、縄張りを作るのだ。
そして、別のホブゴブリンと力比べをするのである。
この争いに勝ったホブゴブリンは、配下を増やし、
やがて、オークへと進化するのだ。
N市は人口4万人強。
そこから約4000体のゴブリンが生まれた。
生存競争を勝ち抜き進化したホブゴブリンは約700体。
それぞれが縄張りを勝ち取りながら、
やがてN市市役所の付近に集まり始めた。
スーパーマーケットや飲食店の集まるエリアである。
人間のときの記憶がそうさせるのかもしれない。
ただ、現状ではホブゴブリン同士の闘いまでには
発展していなかった。
自分のチームを得て縄張りを確保する段階であり、
ホブゴブリン同士の争いはまだ小康状態であった。
そんな状態は苅屋たちにはわからない。
『ゴブリンらの同士討ち。驚いたな』
『確か、研究陣の話だとチームづくりをしているという推測だったよな』
拠点で話し合っていると、
西田・三田・高校生チームが戻ってきた。
『おいおい、ゴブリンがお互いに食い合っていると思ったら、目の前で大きな個体に進化したぞ』
『ホブゴブリンか?』
『研究室で観察したとおりですね。ホブゴブリンです』
『ああ、俺たちもみた』
『そこらじゅうで起きているというわけか?』
『可能性は強いな』
『奴らの新しいステージが始まったということだろうか』
『ホブゴブリンが中心となるということか』
『俺たちも、レベルがあがり始めた。奴らも同様にレベルをあげている。おかしな話じゃないな』
『まだまだ奴らは進化するかもしれんぞ。俺が車中泊で襲ってきた大きい魔物。それがなんだかわからんが、ホブゴブリンよりも強大だった』
『それがオークかそれとももっと強い魔物か。では、ホブゴブリンはホブゴブリン以上の存在になる可能性があるということか』
『無駄かもしれないが、ホブゴブリンを少しでも討伐したほうが楽かもな』
『ああ。空に飛行機が飛んでいない。つまり、我が国は崩壊したんだろう。少なくとも、空軍は壊滅してそうだ』
『我が国に1億人以上人がいて、8割以上が消滅したとする。10%弱程度のゴブリンと5%程度のゾンビがいる。そして、おそらく少数の生き残りも』
『1億数千万の10%弱、1000万ものゴブリンのうち、何体がホブゴブリンになるのか。研究陣によると、ゴブリン6体で1体のホブゴブリンになる。ならば、200万弱のホブゴブリンになる』
『気が遠くなるな』
『だが、この近辺に限れば、せいぜい千体程度だろう』
『やっぱり、より強い武器がほしいな』
『機動隊とか軍の基地だな』
『直近は軍の基地』
『N市から15kmほど南にあるな。陸軍が。そんなに大きいわけじゃないが』
『武器とか軍の車両とかを手に入れられれば、危険を犯す価値はあるかもだが』
『だがな、壊滅してる可能性が強いやろ』
『そうなんだよな。軍隊のぐの字も現れん』
『廃墟となっていても、全部がお陀仏になってることはないだろ』
『まあ、N市を攻略したら軍の基地にいってみるか』
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