N警察署1
【N警察署1】
俺たちはC町の赤十字病院と奥川先生の動物病院、
N警察署に向かうことにした。
2つの病院は問題なかった。
残念ながら、2つとも生命反応がない。
怪物もいないので、すんなりと目的物、
麻酔液と麻酔銃を獲得できた。
『N警察署はどうですかね』
N警察署はN市の中心から見れば北側に位置している。
つまり、A郡からN市中心に向かう途中に警察署がある。
メンバーは、俺、レオ、市河さん、西田さん、中村さんだ。
特に西田さんはN市の住人である。
中村さんは鍵開けのスキルが便利すぎる。
銃器にも慣れたものがあり、貴重な戦力になってきた。
今回は、昼間に行くことにする。
A郡から警察署までは殆ど田畑の中にあるバイパスを通る。
パイパスはほとんど直線の道路であり、見晴らしが誠にいい。
『このへん、すっかり魔物はいなくなったね』
『時々、ゾンビがうろついているだけですね』
『警察署まですんなりいってくれるといいんだが』
などとしゃべっていると、
前方1kmほどに大柄の緑色の個体を見つけた。
双眼鏡で覗くと、大型ゴブリン。
ホブゴブリンである。
『さっそく、きましたか』
『じゃあ、ロングレンジ射撃といきますか』
『500m程度のところで射撃ポイントを作りましょう』
俺たちはホブゴブリンの500m手前で停車すると、
ルーフウィンドウを開けた。
射撃は市河さん。スポッターは西田さんだ。
俺は周囲を観察する。
『距離482m。風速3m北風。気温12度。湿度35%』
『OK』
『バシュッ』
前回は2発だったが、今回は発射した弾丸は1発。
『お見事。目に命中』
魔物は即座に消滅した。
『よし。周囲に敵は?』
『この道路上及び周辺ににはみあたらないね』
『じゃあ、行くか』
慎重に車を進め、バイパスと国道との交差点を左折。
川を越え、いよいよ人家が密集してきた。
『苅屋さん、どうだ』
『いますね、ただ建物の中って感じです』
『カナリヤのレオくんも大丈夫そうだな』
西田さんには、レオは魔物がいると総毛立つと教えている。
西田さんになら本当のことを教えてもいいんだが、
例外を設けず、レオのことは隠し通すことにしている。
低速で車を進め、郊外店も増えてきた。
田舎的にはすでに町中である。
再び川が見えてきた。
川を渡らず、手前を左折する。
川に沿ってしばらく進むと左手に警察署が見えてきた。
この辺りは、お役所が多く、警察署の他に、市役所別館、
合同庁舎、ハローワークが軒を並べていた。
『(タケシ、それぞれのたてものにいるぞ)』
『(ホブゴブリンだな)』
『(たぶん、そうだ)』
『このへんの大きな建物にはそれぞれ縄張りとしているホブゴブリンがいるみたいです』
『そうか。警察署はどうかな』
『1体ですね』
『よし、ちょっと離れたところに車を止めて、徒歩でいくか。西田さんは車で待機・警戒でどうかな』
『OK』
俺と、レオ、市河さん、中村さんは腰をかがめたまま、
歩を進める。
物陰に隠れて警察署の玄関を眺める。
『どのあたりにいそうだ?』
『おそらく、2階の左手ですね。位置的にはこちらを見れないと思います』
『よし、行くぞ』
俺たちは警察署に侵入した。
エントランス正面に2階へ上がる階段がある。
『(タケシ、かいだんあがってひだり、ロウカおくにいるぞ)』
『市河さん、階段上がったら、廊下左奥にホブゴブリン』
『よし、まかせろ』
身をかがめ、2階に上がると、
手すりから鏡を出して奥を確認する。
『よし、こっちを見ていない。やるぞ』
市河さんは膝をつき銃をかまえ、すぐに発砲した。
『バシュッ』
側頭部へ一発だ。魔物は瞬時に蒸発した。
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