魔物の研究
【魔物の研究】4月
4月になった。
そろそろ、桜が満開になろうとしている。
だが、俺たちには花見の余裕はない。
『みなさん、ちょっと相談があるんですが』
『なんでしょうか、飯田先生』
『魔物の討伐もしたいのですが、合わせて魔物の研究をしようかと考えているのですよ』
『ああ、それはいい考えですね』
『魔物の生体も知りたいですし、できればアンチ魔物薬とかが作れれば、と思うのですが』
『ああ、それは研究者として私達も参加できますね』
『ええ。これだけの研究施設があって、人材もいる。活用しないほうがどうかと思います』
『そうですよね。どうでしょうか、皆さん』
『ぜひともやってもらいたいよね。かなり前向きな提案だと思う』
『うん。将来を感じる』
『じゃあ、医者の私と看護師2名、そして研究者3名は専属として魔物の研究に従事ということで』
『サンプルはどうしますか』
『ゴブリンやゾンビ程度でしたら、生け捕り無理ですかね』
『捕獲ですか。チャレンジしてみますか?』
『動物園から猛獣が抜け出したってシチュエーションで捕獲訓練をしてますよね』
『頑丈なネットを作って囲い込んでみますか』
『ですね』
『麻酔薬も病院にはありますよ』
『生け捕ったら、即座に注射ですか』
『麻酔銃はありませんか』
『ああ、奥川先生のところにあったはずや』
『奥川先生?』
『獣医師でな。麻酔銃を扱うには、「狩猟免許」と「獣医師免許」の2つが必要なんや。奥川先生の病院はN市の警察署本部のそばやで』
『麻酔が効くようでしたら、魔物は我々哺乳類と似たような組織を持つということですかね』
『或いはそう擬態してるとか』
『とにかく、器材を集めて魔物を捕獲してみましょう』
『ただ、レベルアップも行いたいですね』
『ええ、それはもう。私たちの基礎能力もあがりますから。それに、医療用人員は毎回ほしいですしね』
『捕獲の前に、私からも』
『西田さん、どうぞ』
『あのさ、現状ではそんなに強い敵がいないし、こちら側の攻撃力が強くてあんまり問題になってないんだけど、防御がかなり疎かなんだよね』
『ああ、大コウモリには肝を冷やしたよ』
『私は店から盾と防護服を持ってきたんやけど、ありゃ趣味程度のもんでね。数もないし』
『なるほど。確かに捕獲作戦となると、近接しますから防御はより必要になりますね』
『ふーむ、するとこの辺りでその手を保管してる場所といえば、警察署か軍』
『N警察署は私の店のそばに本部がある。田舎の警察署だから、大したものはないかもしれないけど、盾や防護服ぐらいはおいてあるでしょ』
『軍はちょっと遠いね。一番近くの基地は私の店から15km程度南にある。装備がどの程度充実しているのかわからんが、ミサイルとかおいてあるし、重要な基地だと思うぞ』
『ただ、壊滅してる可能性が高いな』
『ああ。まるっと残ってるってのはないかもな』
『とりあえずは、N市の警察署、その後に余裕があれば軍の基地か。生き残りもいるかもしれないし』
『警察署だと拳銃とかライフルもおいてあるよね?』
『拳銃は間違いないけど、ライフルはどうだろう。あるといいんだけど』
『本格的な装備は機動隊の銃器対策部隊かな。あるいはもっと大きい県警とかならSWATなどその類の組織がある』
『県警の機動隊か。軍の基地よりずっと遠いね』
『うん。しかも、K市にあるからな』
『K市か。100万都市だから、どんだけ怪物がうろついていることやら。おっかなすぎて、ちょっと行けないね』
『とりあえず、N警察署に行ってみますか』
『奥川動物病院のそばやしな』
『N市にはイ○ン・ユ○クロがあるから、衣類とか見てみたいわ』
『N市は人口10万人の中小都市だ。2割近くは魔物やゾンビになるとすると、2万体近くの敵が彷徨していてもおかしくない』
『ユ○クロは街の中心地にあるし、イ○ンは街の向こう側だ。ちょっと危険を感じるね』
『N市攻略はもう少し準備が必要ってことか』
『とりあえず、奥川病院とN警察署はN市の入り口付近にあるから、危険性は少ないんじゃない?』
『じゃあ、N市はその2つを目指しましょうか』
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