薬品研究所&製造工場3
【薬品研究所&製造工場3】異常発生2~3日目
『君たち、何か武器になるようなものはないかな』
『うーん、普通はないですよね。包丁ぐらいかな』
『あのですね、この研究所はニトログリセリンを製造してまして』
そういうのは、研究員の三田さんだ。
『ダイナマイトの原料の?』
『ニトログリセリンは狭心症とかの心臓疾患の薬になるんですよ』
『そういえばドラマとかで見たことがあるような』
『だから、ダイナマイトはすぐに作れます。単純なのはニトログリセリンを珪藻土にしみ込ませるだけですからね。さらに安定性の高いゼリグナイトという爆薬も作れます』
『三田さん、詳しいんだね』
『僕はちょっとミリオタが入ってまして。ゼリグナイトっていうのは、プラスチック爆弾の原型のような爆弾です』
『プラスチック爆弾というと、映画に出てくる壁に貼り付けたりする爆弾のことかな?』
『ええ、大抵はコンポジション4、C4ですね。C4も作れますが、この研究所では材料がありません。ゼリグナイトは材料がシンプルで、初期のダイナマイトよりは安全です。結構、テロ組織が使ってます』
『話題が穏やかじゃないが、現状ではありがたいね』
『ただ、信管・雷管は作成できません。構造はいろいろ知っているんですが、材料がないのと、作った経験がありませんから、安全性がわからんです』
『市河さんのライフルで直接狙い撃ちか、できるならば俺のクロスボウで起爆させるか』
『クロスボウが使えるといいんだが。サプレッサー付きとは言え、ライフルは音がするからね。遠距離ならばライフル一択だな』
『ちなみに、C4は拳銃程度ですと爆発しません。ライフル以上の衝撃が必要ですね。それだけ安定しているわけですが、ゼリグナイトはそこまで安定していません。ニトログリセリンそのものよりはずっとましですが、取り扱いにはご注意を』
『よし、それじゃ、ゼリグナイトというのを作ってもらうか。それと、機会があれば君たちにも魔物退治をやってもらうのもいいかもね』
『そうですね、僕はぜひやりたいです。苅屋さんがさきほどおっしゃったように、彼らは元々人間です。成仏させなくちゃならんでしょ。今のままだと浮かばれません』
専ら自分に向けて言った言葉が、彼らをも鼓舞していたようだ。
『私も怖いけど、参加します』
『私も』
ああ、梨香や研究員の女性たちも賛成してくれた。
心配していたが、顔をみると大丈夫そうだ。
ということで、翌日、俺とレオ、市河さん、
そして研究者の1人を連れて、町に出て魔物退治を行った。
A郡B町の人口は約3千人。
300体以上のゴブリン・ゾンビがいてもおかしくない。
生存者のいる可能性も十分にある。
魔物退治はさほど難しくなかった。
俺とレオで魔物の位置を特定する。
密かに近づき、アウトレンジからクロスボウで。
建物の中ならば、レオが誘い出しを担当する。
出てきたところをやはりクロスボウ。
このような形で研究員たちに魔物浄化を経験してもらった。
『ああ、これがレベルアップですか』
彼らも、レベルアップできたようだ。
彼らの身体能力を測りなおしてみると、確かに1割程度、
数字が向上していた。
『本当にゲームみたいですね』
『ゴブリン数体では身体強化レベル1がせいぜいみたいだけどね』
『苅屋さんが倒したという怪物は』
『高さ3mぐらいある巨大な奴だった。とっさだったから、はっきりとは見てねーんだよ。偶然、倒せたからよかったけど、再び対戦しても勝てる気がしない』
『ゴブリンがいるのなら、その上はホブゴブリン、その上がオークってのが相場ですが』
『オークかもね。体躯が巨大だったから』
『どうやって倒したんですか』
『フラッシュライトを浴びせて、怯んで屈んだところをナイフで。目に突き刺してやった』
『フラッシュライトですか』
『元々、クマとかイノシシを想定してたのよ。山奥で車中泊が趣味だから。でも、決定打は奴がそのまま何かに躓いて倒れたんだよね。そのとき、ナイフが奥に刺さったみたいだ。半分、自爆だね』
『目は弱点かもしれませんね』
『ああ、そうかもしれない。次に出会ったら、って出会ってほしくないが、もし体表を傷つけられなかったら、目だね』
『市河さんのライフルの腕に期待ですね』
『中・遠距離から攻撃するしかないね。近距離でそんな怪物とは戦いたくないよ』
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