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経験

 クレアとペイモンは即座に戦術を変えた。


 クレアが、矢を速射する。


 死霊司祭は矢を嫌がり、宙空で回避運動をし出した。


 回避運動をした分だけ、死霊司祭は魔法を発動する時間を失い、クレアとペイモンに対する攻撃回数が減る。


 その分だけペイモンは冷静に死霊司祭の動きを観察する時間を得られた。


クレアとペイモンに死霊司祭の精神魔法が直撃するが、ダメージは軽微なので問題ない。


 ペイモンは、死霊司祭の放つ精神魔法を受けながらも冷静に死霊司祭の動きを推測する。


「そこなのです!」


 ペイモンが、死霊司祭の動きを読んで、結界魔法を発動させた。


 死霊司祭の肉体にペイモンの結界魔法が直撃した。


 一瞬で死霊司祭の肉体の右半分が消滅する。


 ペイモンが結界魔法で空間ごと削り取って、死霊司祭の肉体を消滅させたのだ。


 死霊司祭は、悲鳴を上げた。


 ガラスを石で砕くような奇怪な悲鳴だった。


 同時に死霊司祭は、空を飛翔する力を失い落下する。


 クレアは狙いを定めて、死霊司祭に矢を放った。


 闇夜を矢が走り抜ける。


 死霊司祭の頭部にクレアの矢が直撃した。 


 爆裂音が闇夜に響く。


 同時に死霊司祭の肉体が、霧散して消滅した。


 クレアとペイモンは死霊司祭の肉体が完全に消滅し、討滅した事を確認すると構えをといた。


「倒せましたね」

「面倒な相手だったのですぅ~」


 クレアとペイモンが、安堵の吐息を出した。


 肉体にダメージはないが、面倒な相手だった。


 まさか、精神系統の魔法がこんなに防御しにくいとは予想外だった。


「二人とも、よくやったな」


 シオンが、クレアとペイモンに近づいて頭を撫でて褒める。


「ありがとうございます、シオン様」

「頑張ったのですぅ~」 


 クレアとペイモンは、嬉しそうに眼を細める。


 シオンに頭を撫でられて喜ぶ姿は子猫のようだ。


 シオンは微笑しつつ、


(二人とも、まだ実戦が足らないな)


 と思った。


クレアとペイモンは死霊司祭に少しばかり苦戦してしまった。


 慣れない死霊系の魔物との戦闘で戸惑ったのだろう。


 そして、精神系統の魔法が効いたせいで不必要に用心しすぎて攻勢をゆるめてしまった。


 最初から死霊司祭に猛攻をしかければ楽に勝てたはずだ。


 とは言っても、シオンはその事でクレアとペイモンを叱責するつもりはない。


 今回は、死霊司祭と戦わせて、精神系統の魔法になれさせるのが目的だ。クレアとペイモンは精神系統の魔法を直撃されたので、これで耐性が出来た。次回以降は、精神系統の魔法にある程度うまく対応できるだろう。


(今回はこれで良しとしておこう。苦戦したのも良い経験になる)


 シオンはそう結論づけると、二人に眠るように命じた。


 

 


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